戦略の原点

 CDI出身でテキサス大学で経営学を教えている人の本。MBAの友人に昔進められていたが読んでいなかったが最近読んだ。この本が言うとおり、企業経営の「素振り」と言える、重要なところが簡単に思い出せる良い本だった。

戦略の原点

清水 勝彦 / 日経BP社



■第一章
・経営の九九を覚える。どんなに高度な掛け算も九九の組み合わせ。経営理論も一緒。九九が大事
・戦略とは、
ある一定の目的を達成するために、
ターゲット顧客を絞込み
自社固有の強み(ユニークネス)を用いつつ
競争相手と比べて、「より」安い、または「より」価値のある商品サービスを提供するための
将来に向けた計画である。
・戦略の基本要素
目的
3C

■第2章
・成長の目的(ここはずっと言語化できなかったが勉強になった)
①投資家の期待に答える
②競争力獲得(規模の経済)
③従業員の刺激、やりがい

・あるかないか、ではなくて(顧客にとって、事業特性からみて重要なところで)競合より強いか弱いか。

■第3章
・5Fの「代替」はこちらもあちらにとって代替。
・広義の意味で、顧客の財布の中身をすべての業界は争っている。もう一つ、顧客の「時間」も争っている。
・事業戦略は、価値の提供(差別化)か低コストの大きく二つ。

■第4章
・「安い商品の提供」と「商品を安く提供すること」は違う。後者が重要で差がつく所。
・違うことをするのか、同じ事を違うようにやるのか。
・コスト戦略の方向性3つ
機能を絞込み標準化
顧客価値の低い機能を減らす、なくす
規模
・価値戦略の方向性二つ
機能的価値
情緒的価値

■第5章~
・M&Aの目的は、規模、資源、スピードを買うこと。
・他力(JVなど)を使う時の注意点。
スピード
リターン
リスク
コントロール
・国際化の2軸。
現地のニーズへの対応をどこまでするか。
国際的にビジネスモデルをどこまで統一するか。
・国間の違いにばかり注意しない。同じ所もたくさんある。
・(M&A)完全な補完関係ということは、ぜんぜん違うということ。

■第8章
・いろいろなバイアス
思い出しやすさ
記憶の仕方(あの辺りにはお金持ちばかり住んでいる)
関係の思い込み(二つのことが同時に起こると関係があると思い込む)
確率の無視(起業家はかならず成功、失敗が続くと次は成功)
結果からの後づけ
・意思決定も重要だが、意思変更も重要。いつ、何をもって?
・エスカレーションオブコミット

■第9章
・戦略の修正とは戦略の実行の別の名前
・戦略実行のキモは、コミュニケーション
・成功企業バイアス
by km_g | 2012-05-21 22:31 |