ロジカルリスニング


ロジカル・リスニング

船川 淳志 / ダイヤモンド社



そのうち読まないと、とは思っていてやっと読んだけど思った以上に良い本だった。ロジカルシンキングをひと通り学んだ人がつまずくところをうまくカバーしている。なぜ?だから?論点がずれてます、など、こんなロジカル用語を使ってあまりうまくいくことはない。この本のゴールとする共創とは程遠い状態だ。原因は相手を無視して、一方的になってしまているところ。このギャップをうめるのが、ロジカルリスニングだ。

MBAで一番学んだクラスで、質問の内容も評価に加える、というのがあった。普通なら発表だけで、質問をしたとしても多少のプラスアルファがつくだけだ。しかし、このクラスは質問をする人が予め決まっていて、必ず質問をしなければならない。問われているのは重要な論点に言及しているか、と言っていたが、たぶんそれだけではなかったのだろう。少なくともクラスの評価という意味ではそれだけだったかもしれないが講師はこのロジカルリスニングを見ていたのかもしれない。

リスニングつまり、聞くということだが、この本を読むとわかるが、リスニングはコミュニケーションという方が近い。もちろん聞くということも重要だが、相手の発言を聞くだけでなく、仕草、立場など状況も含めて理解するということだ。受動的に聞くだけでなく、聞き方も重要だ。なぜ?と言わずになぜ?をいかに聞くか。なかなか難しい。

集団になるとさらにむずかしい。グループシンク、対立など集団特有の問題が生じる。ファシリテーターは、このロジカルリスニングを駆使して、共創の状態に持って行かなければいけない。

自分はまだまだできていなかったな。


■ロジカルリスニングとは なぜ重要か

この本ではロジカルリスニングとは、相手の話を聞きながら、相手の頭の組み立て方とその意図を理解する、スキルと定義している。ロジカルシンキングである「思考力」に、「対人力」が加わる。対人力とは、相手の話を「聞き」、相手の枠組みで内容を(素早く)理解すること。

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■ロジカルリスニング力を鍛えるためには

ロジカルリスニングに求められる資質として、保有能力と発揮能力の二つがあるという。この辺りもさすがコンサルというだけあってわかりやすい。保有能力のところで大事だと思ったのが感性のところ。特にオープンマインドのところ。決めつけず、常にニュートラルを心がけること。わかってはいるがなかなか難しい。

保有能力(日頃から鍛える)
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発揮能力で大切なのは相手をどこまで理解できているか、だと思う。そこからどうこちらから出力するか、が決まる。相手の発言そのものなど氷山の一角くらいに思わないといけない。そこ理解し、瞬時に返す。なかなか難しい。

発揮能力(その場のダイナミクス)
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■思考停止の4つのパターン

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■ファシリテーターとモデレーター
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by km_g | 2013-04-23 23:35 | 日常