コングロマリット・ディスカウント

コングロマリットディスカウントとは、複数の事業部をもつ企業があったとして、その奇異業全体の価値が事業部ごとの価値の合計よりも小さい状態のことを言う。

これは当然ながら良い状態とは言えない。なぜなら、各事業部が独立して存在した方が価値が高いのだから。こんな企業は、フィナンシャルバイヤーによって買収され各事業部に分割されてしまうだろう。コングロマリットディスカウントになってしまう原因はなんだろ。おそらく2つ。負のシナジーの存在か、IRに問題がある。

負のシナジーとは、互いの事業部が悪影響を与えている場合。例えば、儲かってる事業部の稼いだカネが出来損ないの事業部に使われている場合なんかがそう。ROIの高い事業にカネを使ったほうが良いのに、出来損ないの事業部の延命に使われてしまったりなんかしたらそりゃ企業価値は下がる(本来の価値に届いていないって意味で)。

IRの問題は、せっかくシナジーがあっていい組み合わせで、単独の価値の合計より高い価値があるはずなのにそれが市場に伝わっていない場合。片方の事業部のイメージが強すぎたりする場合に起こりやすように思う。これはCEOがしっかりと説明するしかない。案外アナリストがつくと一気に株価が適正になったりする。

では、コングロマリットのメリットはないのだろうか。よく指摘されるのが、ポートフォリオ効果である。複数の事業部をもつことは、要はポートフォリオを組むということだから、分散効果によってリスクが低減されて良いことのように見える。しかし、このように経営者がポートフォリオを組むことはポートフォリオの組み換えの流動性の低さが問題になる。外部環境によって最適なポートフォリオは変化するだろうしそうした場合、経営者がポートフォリオを組む場合と、単に投資家が複数の株券をもつことでポートフォリオを組む場合とで、どちらが有利かは自明だ。
by km_g | 2011-01-20 16:50 | ファイナンス