財務政策とは?

財務政策とは?

提言すべき財務政策は?と聞かれた場合何を考えたらよいだろうか。

■■まず課題と打ち手の方向性
ファイナンスの科目にありがちなのが数字にばっかり走って細かい計算に時間をとられ、たくさん感度分析をしたが、「で、?」と言われると何も言えないって状況が多い。定量分析はあくまで定性分析とセット。これを忘れちゃいけない。

現状分析(戦略的思考をしながら)をし、問題らしきことを見つけ、課題を自分で定義する。そこから戦略オプションをミーシーで把握し、自社の置かれている状況、課題に照らし合わせて優先順位を付ける。


■静と動
■静:どういう状態であるべきか。
静とは、自社の財務状態がどうあるべきか?ということ。CFのボラティリティの程度、PLCの段階、市場でのポジション、マーケットの状況などの観点から考える。具体的には、格付けをどうすべきか、がまず重要になる。格付けは高いほど債務の返済可能性が高いということ。ビジネス特性、自己資本比率、自社の強さなどから格付け会社が判断する。

ここで重要なことは、格付けが高いほど、「良い」とは限らないということ。格付けが高いほど確かに負債を安く調達(負債コストrDが小さい)できるが、本来享受できたはずの節税効果を失っていることになる。これはフィナンシャルバイヤーにとってとても魅力的な状態で、LBOの対象になってしまう。つまり企業価値が最大化されていないということ。

では、格付けが悪いとどうなるか。BBBを下回るとその会社の債権はジャンクボンドと見なされ機関投資家によってルール上買えない債権になってしまうおそれがある(当然ながら負債コストはBBBを境に急に高くなる。)。機関投資家は、企業にとって重要な(お金をたくさんもってる債権などの重要お得意様)お客さんでありそこに債権を買ってもらえないということは、資金がほしい場合大きな痛手である。

よって、企業価値の観点からはBBB以上AAA未満と言ったところが一般的な攻めどころとなる。ちゃんと計算するとA〜AAくらいで資本コストが最小になることが多い。しかし、あくまで一般論。自社が今後リスクの高いビジネスに挑戦しようとしていたり、いつかはわからないがそのうちたくさんのお金を必要とするならば、少し余裕をもってAAの基準よりやや高い格付け基準領域に保っておいて、資金調達の機動性を確保しておくのも大いにありうる。

このように自社のBSの左(事業特性)と右(資金)を総合的に最適化する考え方をALM(Asset liability
Management)と言う。これには、上で言ったことだけじゃなく、為替、返済スケジュール、投資家の好み、まで考える


■動:今、今後どうすべきか。
静のところで考えたように、自社のBSはどうあるべきか、がある程度把握できたならば現在の状況を分析し、今、今後どうすべきか考える。戦略から財務計画に落し込み、それであるべき資本構成になっていない、またはお金が足りないならば、資金を調達しなければならない。増資なのか借入なのか社債なのか、転換社債なのかワラント債なのか、それは自社の財務状況、マーケットの状況を考慮して決めていく。その時、ホントに’今’なのか、申込し待ったほうが良いのでは?と時間も意識する。

他に、自社が今後成熟へ向かい負債を多くすべきだったり、貯めた現金を投資家に返すこともあるかもしれない。配当で返すのか、自社株買いなのか、これも時と場合による。一般的に配当は、上げたり下げたりといった機動性がない分自社株買いより好まれない場合が多い。ただ、それもIRの観点からあえて配当を選ぶこともある。


こんなところか。
by km_g | 2011-01-26 19:42 | ファイナンス