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EVA エコノミックプロフィット

エコノミックプロフィット EVA

エコノミックプロフィット(=EVA)とは、日本語で言うと経済的付加価値と言うらしい。これは何かと言うと、簡単に言ううと、株主資本コストまで考慮した純利益のことである。

普通の純利益は、原価、経費、負債コストである支払利息、税金を払った後の利益である。しかしながら、企業は株主に対してもコストを負担しており、それが株主資本コストである。負債コストのように契約で明確に〜%と明記されてないので、(つまりかなり解釈に幅がある)財務諸表には明示しにくい。

とは言っても、株主の期待以下の利回りしか上げられない企業の株価は下落し、企業価値は低下する。経営者として、財務諸表に無関係だからと言って株主の期待利回りを考慮しないわけにはいかない。EVAとは、この株主資本コストつまり、株主への支払いまで考慮した後の本当の意味での純利益のことである。EVAがプラスであることは、資本コスト以上の利益を上げているということなのである。

このように、EVAは自社が株主まで含めたすべてのステークホルダーへの支払いを上回る利益をあげてるだろうか、と経営者がマネージメント、評価するときに使う管理指標なのである。

では、どう計算するかと言うと、直感的に分かりやすい式で書くと、

EVA=売上高一通常の費用項目一資本費用

となる。通常の費用項目とは、原価、営業経費、税金のことである。資本費用とは、債権者、投資家への支払いのことである。EVAを(売上高―通常の費用項目)と(資本費用)の2つに分けて計算する。

■(売上高―通常の費用項目)
ファイナンスでは、税金の取り扱い方が簿記とは少し異なる(どっちかが間違っているとかじゃなくて計算スキームの違いだけのこと。どっちも正しい)。簿記(財務会計)の世界では、税金は、税引前純利益に税率を掛けて算出する。もし、支払利息を多く支払えば、税引前利益が低下し、支払う税金の絶対額は低下する。

一方、ファイナンスの世界では、支払利息の増減による支払う税金の増減をいったん無視し、その効果はWACCで調整する(負債が増えると負債コストを低下する調整を組み込む)。なぜこうなっているかというと、事業の評価と、資本政策の評価を分けて議論できるからである。よって、税金額を営業利益*税率の仮定して計算する。

(売上高―通常の費用項目)=営業利益*(1−税率)

これをNOPAT(Net Operating Profit After Tax)と言います。

■資本費用
財務会計で言うところの、支払利息がこれにあたる。しかし、これに株主本コストを考慮しなければいけない。しかし、これは簡単で、債権者への支払い=支払利息=有利子負債×負債コスト(%)だったので、株主への支払い=株主資本×株主資本コスト(%)とすればいいだけのことである。これを合計して、

資本費用=(有利子負債+株主資本)*WACC

となる。ここで、(有利子負債+株主資本)は投下資本と呼ばれる。この定義式は、BSの右側での表現であるが左側で定義すれば

投下資本=(固定資産+運転資本)=(有利子負債+株主資本)

と書かれる。


最終的に、EVAは

EVA=NOPAT―投下資本*WACC

で計算できる。ちょっと変形すると、

EVA=投下資本*(NOPAT/投下資本―WACC)=投下資本*(ROIC―WACC)

となり、こう表記している本もある。ROICは、Return On Invested Capital。

EVAをここまで見てきたが、EVAは資本コストを上回る利益、つまり企業が生み出した価値そのものである。つまり、将来にわたって生み出すEVAの現在価値の合計と現在投下している投下資本の合計が企業価値そのものである、

企業価値=投下資本+将来にわたるEVAの現在価値の合計

ということである。
by km_g | 2011-02-03 14:57 | ファイナンス