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企業再生の局面

企業再生の局面

■事業の見極め
再生が必要になる場合は大きく分けて2種類。無駄投資型と本業切迫型。無駄投資型とは、本業はまともなんだけども例えばバブル時の無駄な土地購入をし、資産価値が暴落し債務だけが残り債務超過に陥る場合。この場合は、債務リストラだけでなんとかなる場合が多い。さっさと法的整理を行いDESあたりで再生すればいい。ただし、事業のタイプによって、法的整理に陥ることがマイナスになる場合はプレパッケージ型にし、破綻より生まれ変わる、というようなイメージを持たせることが重要である。

一方本業切迫型は深刻である。債務リストラが一時的にできたとしても本業が赤字であるとまた同じ状態に陥るからである。この場合事業のリストラ、再生が必要で、かなり難しい。

事業が赤字になる原因はいろいろある。業界そのものがダメになっており自社の努力では抜本的解決に繋がりにくい場合。要は土俵が悪い。この場合は、撤退、売却が妥当な意思決定である。しかしながら、売却先があるか?撤退費用があるか?という問題がある。売却できるならそれが望ましい。キャッシュが入り、債務の返済にあてられるからである。しかし、業界が衰退にむかっているならばわざわざ事業を買って参入してくる企業があるか?そもそもM&Aする経済合理性はあるか(規模の経済、範囲の経済、強みの獲得)?という問いに応える必要がある。

また残った事業も問題である。通常高値で売却できるのは良い事業に決まっている。とすると、本体に残った事業とは微妙な事業であることが多いかもしれない。優良事業の売却収入がリストラ費用以上にあれば債務の返済にあてられるが、リストラ費用などでほとんど消えてしまったら大変である。残った事業が、膨大な債務を背負えるか?ということである。一般的には、債務はEBITDAの7〜10倍までとなっている。もし、背負えないなら、優良事業の売却案は、債権者の同意が得られないだろう。

撤退も簡単にはいかない。例えばリストラ費用。1000人解雇する場合、一人1000万円退職金を支払うならば1000億円のキャッシュが必要になる。また引当金があるにしても特別損失を計上する必要があり債務超過が悪化してしまう。このように、事業性のない事業をリストラするにしても、簡単にはいかないのである。



■意思決定できるか
このように、にっちもさっちもいかない状態になる前に手を打つ必要がある。銀行が貸してくれるうち、増資ができるうち、リストラ費用が払えるうち、新しい事業に投資ができるうち、に手を打てるかがやっぱり重要かもしれない。ではJALを初めそれができなかった企業はなぜできなかったのだろう。

事業性の見極めは、例えば大企業であれば優秀な人は少なからずいるはずで気づく人はいるはずである。ではなぜできないか?それはおそらく組織、場の空気であると思う。売却にしろ、撤退にしろ大きな変化である。心のどこかでそれを気づいていたとしても提言できるか?そこが問題である。

組織内にいる人間は、意思決定難しいだろう。なんかしらの外部からのガバナンスが必要ではないかと思われる。本来であれば株主総会屋、株主によって選出された取締役がこの機能をもてば良いが、日本の場合、物言わぬ株主であるから難しいのかもしれない。社長自身がこのような事態に陥るリスクを理解し、社外取締役の設置や、第三者機関によるチェックなどの施策を講じる必要があるかもしれない。
by km_g | 2011-02-08 11:41 | ファイナンス