2011年 10月 03日
成長率とFCF
EV=FCF/(WACC-g)
である。この時注意しなければならないのは、成長率gは売上高成長率ではなくて、あくまでFCFの成長率である点である。なので、売上高が成長していても、FCFが同様に成長しているとは限らないのである。けっこう多い。
そもそも、なぜ売上高が成長するかというと、例えば新しく設備投資なりをするからである。そうすると、設備投資がマイナスに影響するFCFは低下する可能性があるのである。やはり、上の式は使い勝手は良いが間違いしやすい側面もある。
で、マッキンゼーはさすがに賢くてこの論点を説明している。上の式を下式のように書きなおす。
EV=NOPAT(1-g/ROIC)/(WACC-g)
=NOPAT/WACC * (1-投資比率)/(1-ROIC/WACC*投資比率)
別に新しい情報を加えたわけではなく、単純に変換しただけである。使った変換式は、
ROIC = NOPAT/投下資産
g = ROIC×投資比率
投資比率= g/ROIC
である。この式を見るとわかるように、
ROIC>WACC
の時に限って、投資(投資比率)に従って企業価値が増加することがわかる(この時初めてgが増加)。つまり、投資利回りが資本コストを上回っていないと、いくら投資しても、FCFは増加せず企業価値は増加しないということである(投資しないなら当然FCFは増えない(継続的に))。
FCFの成長率gを決めるとき、設備投資の額、その利回りなど整合性を持った財務モデルをつくらないといけない。
で、マッキンゼーはさすがに賢くてこの論点を説明している。上の式を下式のように書きなおす。
EV=NOPAT(1-g/ROIC)/(WACC-g)
=NOPAT/WACC * (1-投資比率)/(1-ROIC/WACC*投資比率)
別に新しい情報を加えたわけではなく、単純に変換しただけである。使った変換式は、
ROIC = NOPAT/投下資産
g = ROIC×投資比率
投資比率= g/ROIC
である。この式を見るとわかるように、
ROIC>WACC
の時に限って、投資(投資比率)に従って企業価値が増加することがわかる(この時初めてgが増加)。つまり、投資利回りが資本コストを上回っていないと、いくら投資しても、FCFは増加せず企業価値は増加しないということである(投資しないなら当然FCFは増えない(継続的に))。
FCFの成長率gを決めるとき、設備投資の額、その利回りなど整合性を持った財務モデルをつくらないといけない。
by km_g
| 2011-10-03 23:49
| ファイナンス