2012年 06月 07日
ROEと株価
ROEが株主にとって大事な指標だとすれば当然ながら、株価と関係があるはず。下のグラフは、PBRとROEの相関をみたもの。十分に正の相関が見て取れるようだ。ROEが高ければ、PBRも高いようだ。でもこれはなぜだろうか。
(横軸ROE、縦軸PER)
ROEをまた分解してみると、
当期純利益/株主資本=時価総額/株主資本 × 当期純利益/時価総額
ROE = PBR × 1/PER
PBR= ROE × PER
となる。この式から、PBRは係数PERでROEと正の相関があることがわかる。これをもう少し考えてみる。
PBRは、時価総額/株主資本であり、株主資本の時価と簿価の比を表している。100億円投資して得た株券がいくらの価値となっているか、である。企業がリターンを生まなかったとしても(ROE=0)元本の分は価値があるとすると上の式は、
PBR=ROE×PER + α
となる。αは、投資した資金で購入した資産の売却額の現在価値である。多くの場合、資産の売却は行わない、または無限時間先なのでα~0である。
ROE~0の時、資産の売却が検討されるため、
PBR=α @ROE~0
となる。αは、上のグラフで言うと、y軸との切片である。多くの場合、投資した資金で購入した資産は購入当時の金額価値より小さいことが多いため、0<α<1である。
上のグラフの傾きは、PERを表している。ROEは、純利益/株主資本(簿価)であり、単年の利回りを表している。PERはそのROEが続くか?を表している。
PERは何度も書いてある通り、成長性と安定性で決まる。
PER=1/(rE - g)
rE:安定性
g:成長性
グラフの右下の象限はPERが小さく、左上の象限はPERが大きい場合である。
by km_g
| 2012-06-07 08:42
| ファイナンス