ベンチャー企業における資金繰り

ベンチャー企業は、設備、人材、マーケティングなどいろいろお金がかかる。当然ながら必要なお金は調達剃る必要がある。ではどのくらいの額を調達する必要があるか。設備、給料などだけではない。運転資本が必要となる。ここに注意。

・物を作る前に材料・部品を買う必要がある。
・製品が完成してもすぐには売れない。
・売れてもすぐには代金は回収できない。

このビジネスの時間のズレによる資金の滞留が運転資本である。つまり、この運転資本の分だけ資金が追加として必要となる。ただし、2サイクル目移行は運転資本の増加分だけが新たなキャッシュロスとなる。この運転資本も考慮した分の資金が必要となる。よく黒字倒産とか言われるが、それはこの運転資本を考慮しないで経営した場合である。下記の計算にあるように売上成長が大きいほど大きな運転資本が必要となり、必要資金も多くなる。


最低でもどのくらいの資金が必要となるかは月ベースの財務諸表を作成してCF、累積CF、を計算すればよい。しかし手間がかかるので、年ベースでだいたいの額を計算できると便利。運転資本の計算は、流動資産、流動負債の計算が肝である。それを概算するために、流動資産、流動負債を売上高比率で把握し、売上高から計算できるようにする。通常の財務計画と同様だ。ただポイントは、掛け販売の期間が何ヶ月だとどのくらいの運転資本が発生するか、の感覚だ。

例えば、商品が売れてから、2ヶ月後に代金が回収できるとする。商品がうれた時点から2ヶ月間だけ販売額と同額の売掛金が計上される。また次の月に売上が上がったとするとその分だけ売掛金が積み上がる。そして2ヶ月後に最初の売掛金が解消される。つまり、平均すると、年売上高の2ヶ月分が売掛金として積み上がっていることになる。売上高の割合としては、2/12=17%となる。買掛金なども同様だ。もう一度、運転資本に関わるファクターを上げると、

流動資産
・物を作る前に材料・部品を買う必要がある。 →仕掛品
・製品が完成してもすぐには売れない。    →在庫商品
・売れてもすぐには代金は回収できない。   →売掛金

流動負債
・部品を購入してもすぐには支払わなくてもよい。→買掛金



このように計算した結果が下記である。利益と運転資本が計算できればCFが計算できる。当然最初はマイナスのキャッシュ・フローである。これが毎月、毎年積み上がり、CFがプラスに転じた時点から、マイナスのキャッシュ・フローの積み上がりが減少し始める。つまり、累積CFの最小値が最低限必要な資金である。

成長率と必要資金額の関係を見るとわかるように、成長率が大きいと一見不思議であるが必要資金が大きくなる。もちろん原因は、運転資本が利益の増加よりも大きな速度で増えるからである。

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by km_g | 2012-09-15 11:52 | ファイナンス