SoftBankのイー・アクセス買収

 ソフトバンクがイー・アクセスを買収した。LTE競争の劣勢を覆すウルトラCだ。700MHz付近(1GHz以下?)はプラチナバンドと呼ばれ、伝搬効率が良く、最近イーモバイルが割り当てられた

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今回、ソフトバンクはイー・アクセスをすべて株式交換で買収すると発表した。買収条件は、

・すべて株式交換
・全株式買収?
・52000円/株

とのこと。今回の買収を少しファイナンス面から整理してみる。

■買収価格
一株あたり52000円だから、現イー・アクセス株価15000円に対して、3.5倍。としてはいけない。これが成立するのは、現金買収の時。株式交換の場合は、シナジー効果がどれくらいでるか、によってイー・アクセス株主がもらうソフトバンク株式はもはや統合前株式価値ではないからだ。

発表によるとシナジー効果は3600億円と非常に大きな額を見込んでいる。これを信じると、イー・アクセス株主が受け取るソフトバンク1株式の株価は、3359円と統合前の株価3160円より少し高い。時価総額にすると、1900億円程度に相当する。ここからEV / EBIDA倍率を計算すると5.4xとなる。あまり高いとは言えない。もともとのイー・アクセス株価が安かったのだ。


■シナジー効果はどれだけ必要か
上の計算では、プレミアムは

プレミアム(イー・アクセスの株主の利益) = 発表前時価総額 - 買収価格

=1400億円

である。一方ソフトバンク側の株主の利益は、

ソフトバンク株主の利益 + イー・アクセス側の株主の利益 = シナジー効果

より、2200億円程度となる。両社Win-Winだ。しかし、これはシナジー効果が3600億円創造されることが前提だ。では、買い手であるソフトバンクの株主が損をしないためにはどれだけのシナジー効果が必要だろうか。損益分岐シナジーだ。これを計算すると1200億円程度のシナジー効果がないとソフトバンク側は損をしてしまい。その分がイー・アクセス側の株主に移転するだけの取引となってしまう。

■市場の評価
当然ながら、公表後両社の株価は大きく変動した。

・SB 9/28 3,160円  → 10/2 3,195円
・EA 9/28 15,070円 → 10/2 23,000円

両社の株価が上昇したということは、市場が新たな価値を認めたということである。この増加分を計算すると、

・SB  ⊿35円×発行済株式総数=390億円
・EA  ⊿7930円×発行済株式総数=270億円
合計660億円

これが市場が認めたシナジー効果の額だ。イー・アクセスはストップ高だったのでもう少し大きいかもしれない。市場は3600億円もシナジー効果を認めていないようであるが、少なくともWin-Winの良い取引だと見ているようだ。




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by km_g | 2012-10-03 01:56 | ファイナンス