世界で最もイノベーティブな組織の作り方



・日本は創造的ではないというが、過去の成果を見ると世界に誇れるイノベーションは出ている、日本人は
・問いは、イノベーションを妨げているものはなにか?で、それは組織
・多様性が大事というが、本質は「思考の多様性」が担保されているかどうか。属性の多様性を担保しても思考の多様性につながるかどうか
・さらに、思考の多様性が「意見の多様性」となって初めて、重要な認知的不協和が発生する
上下間の風通し権力格差指標(PDI=power distance index 上司に言いたいことが言えない)が高さが航空機事故の大きな原因の一つだった
(副操縦士が部下、機長が上司の場合よりその逆の場合の方が事故が少ない)
・権威=リーダーが日本の構図
・過去の多くのイノベーションは、新参者・若手によって主導されてきた。だとすると、彼らが意見しにくい日本の組織風土は非常に問題
・従ってリーダーは、意図して意見を聞こうとする姿勢(聞き耳のリーダーシップ)が重要。ビジョンを示す、指示を出すと言った一般的なリーダーシップのイメージとは異なる
・イノベーションの目利きは難しい。消費者でさえプロトタイプの段階では判断がつきにくい。そのイノベーションが大きければ大きいほど
・目利き力が重要となるが、そのためには特に外部組織とのネットワークがどれほど高密度か、が需要→オープンイノベーションの本質?
・外部組織とは、自分たちと思考、バックグランド、専門性などが異なるということ
・インターネットは、多様な意見の集約がメリットとされているが、現状は全く逆で同質性をむしろ高めている(=ここは最近自分も感じていた!)
・ある調査では、同質性の高い組織では意思決定のqualityが下がるとの結果
・3Mの15%ルールだけマネをしてはダメ。売上の10%が新商品で構成されるという経営管理の仕組みとセットとなていることがポイント。これによって、新しい技術、製品を商品化しようとするインセンティブが発生する(聞き耳のリーダーシップと言ったソフトとこのようなしっかりとしたハードの両面が重要)
・働きアリだけの集団と、遊び人アリが混ざった組織では後者の方が高パフォーマンス。
・人間の組織も同様で、いかに遊びの部分を作るか。3M,グーグルが良い例。
・ステージゲート法は、駄目ネタを落とす効果はあるが、イノベーションも切る可能性がある。消費者調査も駄目。
・コンセンサスを重視しすぎるいわゆる日本企業は合理的説明ができないイノベーションを切ってしまう可能性大
・最後はリーダーの直観が必要ではないか
・しかし、リーダーの直観ではなくても、qualityの高い意思決定ができるかもしれない(組織的に)
・コンドルセの定理=構成人数が多いほど意思決定のqualityが上がる、という定理もある
・専門家は良く予想を外すし、過去のイノベーションは専門家から生まれていない
・ただし、組織としてクオリティの高い意思決定を行うための条件は、(これがないと声が大きい人の顔色伺ったり、グループシンクが発生したり、うまくいかない)
1:個人の独立
2:互いに影響されない
3:偏りがない
4:全員が同じ問題に答えようとしている
5:必要な情報がある
6:問題に正解がある

・これをいかに組織に実装するか、は今後の重要な課題(この辺りは、ビッグデータのからみでちょっと面白いかも)
・一部の例外を覗いて、いたずらにスペシャリストを目指すのではなく、ダイナミックに配置転換を行いバックランドの多様性を育成すべき


ちょっとこの本を読んで、以前日本テクノロジーベンチャーパートナーズの村口さんが言っていた、「ベンチャーキャピタルを組織として行うのは無理」、と言っていたのを思い出した(それでジャフコから独立)。ベンチャーキャピタルはまさにイノベーションを判断しなければいけない。なんとか委員会で合理的な投資理由を議論してたらベンチャー投資はできない。投資担当者が自立してリーガーシップを発揮しなければいけない。それが一般的な会社組織でできるのか。シリコンバレーのVCがすべて、独立系であることも頷ける。

日本企業で孫さんのように強いリーダーシップでイノベーションを推進するのはちょっと難しいと思う。集団でいかに意思決定のクオリティを上げるか、イノベーティブな意思決定を行えるようにするか、は非常に面白いかつ、重要な課題だと改めて思った。


茂木健一郎氏「時代を切り拓くリーダーたちへ~世界を変えるイノベーションとは~」(あすか会議2013)









by km_g | 2013-11-21 00:41 |