採用基準



本屋でちらっと読んでいい本だなぁって思ってたけど読んでなかったので読んでみた。
ほかの書評でも書いてある通り、採用基準というよりリーダーシップについての本だった。

山口周さんの本読んでからリーダーシップに急に興味が湧いてきていたので、面白く読めた。山口周さんの本がタイトル通り組織的な見方をしているが、この本は個人としてのリーダーシップに焦点をあてていた。

特に印象に残ったのは、ちきりんBlogにもあるとおり、リーダーの職に付いている人だけでなく、チーム全員がリーダーシップを持つべき。
リーダーシップとは、成果主義とセットで始めて成立し、組織を成果に導く姿勢のこと。

という点だった。組織全体の成果のために、チームの和ではなく成果を目指す姿勢。目標を決め、成果のために決断し、先頭を走り、発言し、チームを鼓舞する。決して、実はあのとき違うと思っていたんだ、とは決して言わない。部長でも社長でも成果のために違うと思ったら意見を言う。ミーティングが終わりかけてても言う。「あなたのリーダーシップの経験を話してください」と問われて、~でリーダーを務めた・・・などと言ってもそれではリーダーシップの話をしたことにはならない。


リーダーは、やっぱり大変。それでも変革、イノベーションのためにはリーダーシップはとても重要だ。
また半年くらいしたら読もう

*****メモ*****

・アメリカのビジネススクールの目的の一つは、アメリカ人に世界を教えること。現在、その世界とは日本人以外のアジア人だったりする。BSに日本人が減っている理由の一つはこれ

・ケース面接で問われているのは、当人がどれほど考えることが好きか、どんな考え方をするのか
・頭にストックされている考えたことがあること、答えを取り出すのではなく、その場で考える
(以前、ケース面接受けた時は、不安だったから事前にたっぷり考えて答えをストックしてたなぁ~)
・面接官は、ストックから答えを探しているかどうか、はすぐに見抜く

・コンサル業務は
①経営課題の相談をうける
②問題の解決方法を見つける
③問題を解決する

地頭力が威力を発揮するのは、高々②だけ。世の中は地頭力を過大評価しすぎ。地頭力だけが優れていてもコンサルはできない

・思考力は3つに分解すると
①思考スキル
②思考意欲
③思考体力

①は学べるが、②、③は難しい。面接ではここも見ぬく
思考停止って状態に入る人は、思考スキルの問題もあるけど、2,3も確かにある気がするな
あなたの強みは?って質問で体力って答えたことがあるけど、その時は幼稚な答えしてしまったかなぁって思ったけど、それほど間違っていなかったな


・リーダーシップがある人は、成果を出すこと、を自説が採用されることより優先する
・マッキンゼーでは、組織的リーダーポジションにいる人だけでなく、チーム全員にリーダーシップが求められる

(山口周さんの本では、これに関してリーダーが聞き耳のリーダーシップと称して意見を取りに行く姿勢が求められると書いていた。)

・リーダーシップは成果主義とセットで初めて成立する
意見が対立した時、統一した成果目標がなければ、極端に言えばどれでも良いということになる。
日本では成果目標が明確化されないため、和を優先しだれもリーダーシップを発揮しないことが多い
・リーダーとは和を尊ぶ人ではなく(他部署の調整に過剰にリソースをさく)、人柄が良い人でもなく、「組織を率いて成果を出す人」

リーダーが成すべきこと
①目標を掲げる
わかり易い言葉で、共有

②先頭を走る
公衆の前に自らを晒し、結果がうまくいかない場合も含めてそのリスク、責任を背負う、恥も覚悟
空気を読まずに、おかしいと思ったら発言

③決める
不完全情報化で決断する
情報完全の状態ではだれでも決断できる。


④伝える

・できるようになる前にやる
・グローバル人材ではなく、グローバルリーダーに



by km_g | 2013-12-23 20:12 |



・日本は創造的ではないというが、過去の成果を見ると世界に誇れるイノベーションは出ている、日本人は
・問いは、イノベーションを妨げているものはなにか?で、それは組織
・多様性が大事というが、本質は「思考の多様性」が担保されているかどうか。属性の多様性を担保しても思考の多様性につながるかどうか
・さらに、思考の多様性が「意見の多様性」となって初めて、重要な認知的不協和が発生する
上下間の風通し権力格差指標(PDI=power distance index 上司に言いたいことが言えない)が高さが航空機事故の大きな原因の一つだった
(副操縦士が部下、機長が上司の場合よりその逆の場合の方が事故が少ない)
・権威=リーダーが日本の構図
・過去の多くのイノベーションは、新参者・若手によって主導されてきた。だとすると、彼らが意見しにくい日本の組織風土は非常に問題
・従ってリーダーは、意図して意見を聞こうとする姿勢(聞き耳のリーダーシップ)が重要。ビジョンを示す、指示を出すと言った一般的なリーダーシップのイメージとは異なる
・イノベーションの目利きは難しい。消費者でさえプロトタイプの段階では判断がつきにくい。そのイノベーションが大きければ大きいほど
・目利き力が重要となるが、そのためには特に外部組織とのネットワークがどれほど高密度か、が需要→オープンイノベーションの本質?
・外部組織とは、自分たちと思考、バックグランド、専門性などが異なるということ
・インターネットは、多様な意見の集約がメリットとされているが、現状は全く逆で同質性をむしろ高めている(=ここは最近自分も感じていた!)
・ある調査では、同質性の高い組織では意思決定のqualityが下がるとの結果
・3Mの15%ルールだけマネをしてはダメ。売上の10%が新商品で構成されるという経営管理の仕組みとセットとなていることがポイント。これによって、新しい技術、製品を商品化しようとするインセンティブが発生する(聞き耳のリーダーシップと言ったソフトとこのようなしっかりとしたハードの両面が重要)
・働きアリだけの集団と、遊び人アリが混ざった組織では後者の方が高パフォーマンス。
・人間の組織も同様で、いかに遊びの部分を作るか。3M,グーグルが良い例。
・ステージゲート法は、駄目ネタを落とす効果はあるが、イノベーションも切る可能性がある。消費者調査も駄目。
・コンセンサスを重視しすぎるいわゆる日本企業は合理的説明ができないイノベーションを切ってしまう可能性大
・最後はリーダーの直観が必要ではないか
・しかし、リーダーの直観ではなくても、qualityの高い意思決定ができるかもしれない(組織的に)
・コンドルセの定理=構成人数が多いほど意思決定のqualityが上がる、という定理もある
・専門家は良く予想を外すし、過去のイノベーションは専門家から生まれていない
・ただし、組織としてクオリティの高い意思決定を行うための条件は、(これがないと声が大きい人の顔色伺ったり、グループシンクが発生したり、うまくいかない)
1:個人の独立
2:互いに影響されない
3:偏りがない
4:全員が同じ問題に答えようとしている
5:必要な情報がある
6:問題に正解がある

・これをいかに組織に実装するか、は今後の重要な課題(この辺りは、ビッグデータのからみでちょっと面白いかも)
・一部の例外を覗いて、いたずらにスペシャリストを目指すのではなく、ダイナミックに配置転換を行いバックランドの多様性を育成すべき


ちょっとこの本を読んで、以前日本テクノロジーベンチャーパートナーズの村口さんが言っていた、「ベンチャーキャピタルを組織として行うのは無理」、と言っていたのを思い出した(それでジャフコから独立)。ベンチャーキャピタルはまさにイノベーションを判断しなければいけない。なんとか委員会で合理的な投資理由を議論してたらベンチャー投資はできない。投資担当者が自立してリーガーシップを発揮しなければいけない。それが一般的な会社組織でできるのか。シリコンバレーのVCがすべて、独立系であることも頷ける。

日本企業で孫さんのように強いリーダーシップでイノベーションを推進するのはちょっと難しいと思う。集団でいかに意思決定のクオリティを上げるか、イノベーティブな意思決定を行えるようにするか、は非常に面白いかつ、重要な課題だと改めて思った。


茂木健一郎氏「時代を切り拓くリーダーたちへ~世界を変えるイノベーションとは~」(あすか会議2013)









by km_g | 2013-11-21 00:41 |

企業再生プロフェッショナル (日経ビジネス人文庫)

日本経済新聞出版社



アリックスパートナーズという再生ファンドの方が書いた本。


企業再生の流れを物語風に勉強出来る本。やや深みにかけるところもあるけど企業再生の流れを理解するにはとても良い本。ブックオフでダメ元で100円で買ったがもうけもんだった。

・ターンアラウンドマネージャーは事業会社とプロフェッショナルの両方のキャリアが必要
・企業再生の三位一体・・・・・財務の再構築、事業の再構築、経営システムの再構築
・再生の対象企業・・・・・予防型、バリューアップ型、再建
・経営不振企業の原因・・・・過剰投資、社歴の長い企業が環境変化についていけず
・経営不振企業の特徴・・・・見栄っ張り症候群(立派なオフィス、高い人件費)、青い鳥症候群(新規事業投資)、ゆでがえる症候群、他人のせい症候群
・現状診断の手法・・・・経営幹部へのヒアリング(拠って立つ立場を理解)、財務はキャッシュフロー重視、競合とのベンチ(どこが悪いかわかりやすい)
・ファンド投資判断時に使うバリュエーション方法にDCF法も使う(EBITDA倍率など複数方法使う)
・工場はフェンス沿いにまわれ・・・・DDするときなど、工場をよく見せようとして在庫などを隠してる可能性
・サプライヤーからの材料、部品の不良を工場で止めても遅い。サプライヤー出荷前で止めるように
・一つ一つの打ち手をコストベネフィット分析
・粉飾の調査手法
1:社内規程に基づくあるべき業務の流れの確認(粉飾の余地がどこにどのくらいあるか)
2:営業、経理、倉庫の担当者および管理者のインタビューによる実際の業務の流れの検証
3:商品の実在性、出荷状況の確認
4:会社の持つカルチャー、人事評価制度の分析(インセンティブ設計)
5:粉飾の入り込む余地の確認
6:見落としがないかについての最終確認

・一般的にまず私的整理を試みて債権者との調整がうまくいかない場合に法的整理をとる。理由は信用が維持しやすく、また短期解決になるため(法的整理は一律に債権がカットされるため)。
・民事再生法と会社更生法の選択は、経営者の扱いと削減対象の債権をどこまでにするかで決める
・民事再生法の場合は、経営者留任・無担保一般債権のカットだけなど(債権カットの範囲が浅い)。
・会社更生法の場合は、担保権もフリーズされる

本書で紹介されている再建計画の例
上場廃止、法的整理
①銀行による債権一部放棄とリスケ
②一般債権者の債権一部カット
③子会社売却
④生産体制の見直し
⑤人員削減と販管費の削減
⑥経営責任の明確化(社長退任)
⑦株主責任の明確化(社長保有株、上場廃止前に出資していたファンドの50%保有株償却)
by km_g | 2013-08-15 15:53 |

「お金の流れ」はこう変わった! 松本大のお金の新法則

松本 大 / ダイヤモンド社







以前に一回読んだ本だけど、藤巻さんの本を読んでもう一回読んでみた。

以前読んだ時はほとんど内容がひっかからなかったが、今回は全然違う印象を受けた。とても良い本に見えた(それだけ藤巻さんの本がよかったと言うことか)。


・投資のプロと素人の違いは投資にルールを持っているかどうか。そのルールを厳格に守っているかどうか.
・プロは利食いは多めに。損切りは小さめにしている。しかし人間/素人は損切りは遅めに利食いは早めになってしまっている。例えば利食いは15%、損切りは5%と利食いを損切りの3倍くらいにしておくと良い。
・投資のプロは別に素人が得られない特別な情報、情報源を持っているわけではない。膨大な情報をいかにインテリジェンスにつなげるか、がまず違うところ。インフォメーションとインテリジェンスは違う。
・また、一次情報を重要視しているかも大事。新聞、アナリストレポートは川下の情報。誰かの解釈が入っている。そして遅い。業界の自分の知り合い、実際に店に行くとかなるべく川上の情報に近づく。
・情報は多面性が大事。日本の新聞、米国の新聞、ネット、評論家、同じファクトでも重要視してるかどうか、どう解釈しているかが違う。
・価格はお金の量で決まる。価格と価値は直接的には関係は薄い。
・為替は実質金利(名目金利-期待インフレ率)で決まる。(ここは藤巻さんの本よりわかり易かった)。為替は長期の視点を持っていない。なぜなら膨大な流動性(いつでも売り買いできる)を持っているから。長期視点を重視すれば藤巻さんが言うように国力の差が問題になってくるが為替は短期視点。
・ビジネスでもトレーダーでもすごい人、と思える共通点は「好奇心」が強いということ。


本の内容もよかったが松本大という人はとても魅力的だ。前にゴールドマンの人に聞いたが、上に立つ人は能力はもちろんだが人として素晴らしい(今は違う、とも言っていたが)、と。この松本大さんの本なり、ブログを読むとそれがよく分かる。情報に対して素直・謙虚であり、自分で考えていて、現場を重要視していて、専門以外の知識(今回の場合は脳の話とか)があって、仲間を大切にしていて。

どうやったら好奇心を高く持てるか。それはどっかで誰かが話していたが(島田紳助か)、感性を持っているかということが大事だと言う。些細なこと(と思われる)に、心が動くかどうか。喜んだり・怒りがわくかどうか。同じことを言ってるのかも知れないが。

感性を高く保つためには、心がオープンでなくてはいけない。自分の考えを持っていることは大事だが、一歩間違えるとそうではない情報・考えを拒絶しかねない。自信と謙虚ということか。



自分はまだまだだ。


***以下目次****

Chapter1 今、世界の経済はどうなっているのか?

世界で起きている「重要トレンド」

欧米諸国に偏っていた「富」が逆流しはじめた
この先、「情報×人口」という掛け算で経済が伸びていく
人口爆発が生み出した、エネルギー価格の上昇
ものの値段は、本源的価値とは無関係
円高になったのは、実質金利が高いから
臆病なお金は、不安を感じたらどこかへ逃げ込む
日本経済と日本株はこうすれば復活する

日本株の長期低迷の原因は?
「デフレ・円高」を「インフレ・円安」にするべき
マーケットには「目的地」が必要
少子化対策の最初の一歩は「婚外子の差別や不利をなくすこと」
子どもが3人以上産まれたら所得税を5%引き下げたらどうか
復興マネーはどこへ行った?
売買はさかんでも、保有は増えていない現状
銀行はリスクを取るのが本来の役割
ときには大胆な制度設計があってもいい?
割高感が解消された日本株

日本株のバリュエーションは「バブル前夜」並み
日本ほどの好条件を備えた国はない

Chapter2 みんなで動けば、株価は上がる!

お金の意味、投資の意味

お金は「社会財」
今のマーケットから見えるのは「投資家の自信喪失」
欲がないのが気がかり。だが、Greed is good!だ
前傾姿勢になって「世の中の匂い」を嗅ぎ取れ
経済の主役、市場の主役は個人

個人の欲を隠した「犯人」は?
世界一の投資センスを持つ日本の個人投資家
個人の主権をもっと行使しよう
どんなコーポレートガバナンスが望ましいのか

Chapter3 マーケットとのかかわり方

「投資リスク」とどう向き合うべきか

投資の際はリスクに注意
カジノで個人が負けやすい理由
得をしているときと、損をしているときの心理の違い
「プロスペクト理論」が示唆するもの
「ドローバック」で、利益をできるだけ引っ張る
投資上の注意点はまだまだある!
マーケットへの入り方

10人の子どもを、どの会社に入れる?
「お金の行くところ」に先回りしよう
世界が均質化していく中でも生き残るもの

Chapter4 トレーディングの死線は「情報」にあり

大量の情報を使って「遠近感」を得る

1本のニュースは、1本のサーチライトのようなもの
メディアにミスリードされないために
情報は、クルマのハンドルのようなもの
大切な情報は、いつも「現場」にある

インフォメーションとインテリジェンス
「みんなが知っていること」を知るのが大事
川上情報をつかむNRという男
情報の流れには、タイムラグがある
タクシーの窓から「人」と「社会」が見えてくる
アセットアロケーションはなぜ必要なのか

マトリックス・モデルを使って資産配分をする
ブラック・スワンの時代に必要なリスク管理とは
個人はミクロの世界から入ったほうがいい
「運」の正体は?

Chapter5 タフな市場で生き残るために必要なもの

脳をトレーニングする

情報の断片に、どんな「含意」があるのか
「可塑性」という脳の性質
脳の中には「本棚」が並んでいる?
情報マッピングをしている人が、投資でも勝つ
トレーディングも下ごしらえがすべて
不慣れなことは脳を鍛える?
イメージングもトレーニングの1つ
投資脳トレーニングはソロモンで教わった
「ライアーズ・ポーカー」という名の、だましゲーム
成長するために必要なもの

51%の正解率を続けていくと……
ジャンプして進化する
好奇心と、想像力
あとがき「次の10年」へ

by km_g | 2013-07-17 09:21 |

マネーはこう動く

マネーはこう動く―知識ゼロでわかる実践・経済学

藤巻 健史 / 光文社







■量的緩和関連

・マネタリーベースは、その名の通りマネーのベース。市中に出回っている紙幣・コインと日銀にある当座預金の合計、信用創造の元
・一方、マネーサプライとはマネタリーベースを基に信用創造によって増加した市中のマネー全体(銀行の預金=負債にあるの合計) 
・インフレ・デフレは貨幣的現象。おカネの量(マネーサプライ)が2倍になれば価格は2倍になる
・日銀が量的緩和で増やせるのはマネタリーベース。そこから実際にインフレになるかどうかは、どのくらいそれがマネーサプライに転化されるか、がポイント
・量的緩和とは、銀行が保有する国債を日銀が買い上げ、日銀にある当座預金の量を増やすこと
・当座預金は金利ゼロだから、そのまま当座預金においたままにしておくよりは貸付に回すだろう、ということが狙い
・ただし、それが実際に企業への貸出につながるかどうかは、資金需要(良い投資先)があるかどうか。ここがリフレが主張する大きな論点(需要がないから量的緩和してもインフレにならない。国債をまた、買うだけ。この本にもどうやって信用創造を機能復活させるかは書いてない!)
・量的緩和が行われれば、土地、株などの資産が高くなる(まず資産から高くなる?)
・企業は前提として、量的緩和前はリスクを怖がり貸付を行なっていない。しかし、土地のように担保性のある案件に対する貸付は比較的早めに実行に移される。だから土地の価格がまず上昇する(と、皆が思ってるから上昇する?)。さらに土地の値段を決めるDCF法は高めの価格でも正当化するのは簡単
・株も上がる。将来インフレになると思われれば、現状でまだ消費者物価は上昇していなくても先行指標である株価は上昇する。物価も上がり収益もあがるから。さらに借金の価値も相対的に減少する(名目収益が上がるから、名目借金額はそのまま)。
・株とか土地の価格が上昇することで資産効果によって実体経済に波及する。日本のバブルは消費者物価ではなく資産物価が高騰し、資産効果で景気上昇した



■長期金利関連


・インフレ=景気良いではない。実際バブル期はインフレではなかった。インフレは好景気の十分条件
・特に日本政府はインフレにしようとする圧力が働くはず(長期的にはいずれ、がそれが怖い)。巨額な財政赤字を実質的に減らす有効な方法がインフレ起こす(カネの価値を下げる)
・財政政策には普通は、国債が増加し価格が低下=金利上昇になり、国債がじゃぶじゃぶ発行できなくなるという健全なブレーキがかかる。しかし、日銀や銀行が(長期)国債を多く買ったがためにそれが働かなかった、それで日本は巨額の財政赤字になることができた
・日銀はいいとして、なぜ銀行までも国債をどんどん買ったか。それはイールドカーブが寝たから。日銀が長期金利を下げたせい?(普通日銀がコントロールできるのはあくまで短期金利、長期金利市場では日銀でもいちプレイヤーにすぎず、コントロールできないとも書いてある。)でイールドカーブが寝てしまった。だから銀行が短期で借りて長期国債で運用するというスキームによる利ざやが小さくなった。だから量にいった。長期金利がさらに低下。だから長期国債がたくさん消費できた。これが日本の財政赤字が多く積み上げられた要因の一つ(本には買いてないが。たぶん郵貯も)
・一般的には、短期金利は日銀が決め、長期金利はマーケットが決める。日本は長期金利も日銀が(国債購入によって)決めている。つまり歪が溜まっている。
・量的緩和→インフレ(金利は上昇するが)→財政債務解消の流れが可能だったが、巨額の債務のため少々の金利上昇でも耐えられなくなってしまっている。1000兆円×1%=10兆円金利コストアップ。税収は40兆円程度。バブル期でも60兆円だった。
・名目長期金利=期待インフレ率+実質金利+リスクプレミアム


■為替関連

・国内景気が悪い時は円安がよい。円安によって、企業は海外で強くなる。それによって企業業績が上昇し景気が良くなる(給与とか?雇用とか?)、政府は、金融、財政の他にこの為替政策を積極利用した方が良い
・一方景気が過熱しているときは円高のほうが良い。好景気時のインフレ(国内物価上昇)が輸入品価格の低下によって抑制効果が働くから
・為替は長期的には国力に依存する(魅力的な投資先、消費先かどうか)。しかし短期的には金利差、需給など様々な要因できまる。短期的には予想は難しい。
・ではどこまで円安が続くのかはよくわからない。金利差がなくなるまで円安になる?国力が弱い限り円安進む?
・金利差があるとドルの先物が安く買える(オプション理論?)。ドルの先物を売る人は将来のドル売りのために直物のドルを購入する(しておく?)だからドルが高くなる(円安になる)
・為替政策の中身は、為替介入。しかし、為替のマーケットは非常に大きく政府でも普通の一プレイヤー(黒田総裁の異次元の為替介入は異次元)。
・各国が通貨安誘導を行ういわゆる通貨安競争は起きにくい。なぜなら、多くの国は他国通貨で借金しており、そのような国は実質借金が大きくなるので過剰な通貨安はできない。あと実態景気より安くすれば(金利差の話より、金利を下げる)とバブルが発生してしまうから
・日本の問題は、財政赤字、少子化、グローバル化対応の三つ。
・少子化の具体的問題は、年金、社会保障費の部分と労働人口の不足。
・だが、労働力不足は実際小さいのでは。理由は労働需要(高コストの人材?ビジネスに人が要らなくなるから?)が減るから。
・グローバル化は、雇用がグローバル化つまり中国に工場が移転するとかいう話。しかし、それはしょうがないのでは。日本の雇用を吸収できるのは、製造業ではなく金融、IT、医療、教育などではないか(そこに日本が競争力があるかってのは少しだけ疑問。まぁ重要なのは日本は今後何で食べていくのか、と言う話)。
・やはりものづくりで行くというのなら、かなりの円安政策が必要。


■不明論点
・通貨は金利差で決まる。長期的に長期金利は上昇する、ということは長期的には円高?それとも国力、財政赤字のため円は安いまま?
・量的緩和だけでインフレは起こせない?量的緩和→(強引に長期も)金利低下→通貨安→企業業績上昇→資金需要増加→信用創造→インフレというメカニズムでOK?でもインフレになったら金利上がる?
・景気が良いとインフレになりがち。逆は真?インフレにしたら景気は良くなる?「インフレを起こそう」って掛け声はちょっと疑問。前にマネックスの松本氏のブログにあったようにインフレ→値段がアップ→早く買わないと!→需要大→景気大ってこと?


■アベノミクスについて

ここまでダラダラ書いたが、今のアベノミクスについて考えると
・結論は、第1、第3はOK。第2は×

・大胆な金融緩和(日銀の大量量的緩和、マネタリーベースの増加)政策の狙いは、通貨量大によるインフレと円安。しかし、信用創造の部分が機能しないとダメ。それが第2、第3の矢。気持ちはわかる。しかし第2はちょっとあやしい。
・現在の株高は通貨安によって企業業績がどれほど回復するか、にかかっている。来期業績を注視する必要あり
・財務省の為替介入も効果が小さいと言っても、金融政策と合わせてやるのであればやってもいいのでは?
・財政政策(新たな追加的国債発行して)は大丈夫なのか。これ以上借金を増やすのはまずいのでは。
・さらに財政赤字悪化による(リスクプレミアム)金利上昇→さらに財政悪化となり第一の矢の効果を相殺することにならないか
by km_g | 2013-06-10 00:30 |

GWに読んだ本


ダントツ経営―コマツが目指す「日本国籍グローバル企業」

坂根 正弘 / 日本経済新聞出版社



日本で数少ないグローバル化を成功させている企業の話。体系的感がちょっと物足りない。


グローバル・エリートの時代 個人が国家を超え、日本の未来をつくる

倉本 由香利 / 講談社



ダントツとはちがってこちらはグローバル化を体系的に述べている。販売のグローバル化、生産のグローバル化、組織のグローバル化、の流れがわかりやすい。


ロジカル・リスニング

船川 淳志 / ダイヤモンド社



この中で一番。ロジカルシンキングの先のコミュニケーションにまで踏み込んだ話。単純にロジカルの考えるだけでなく、ロジカルに伝える、聞く、そして協力するためにはどういうスキルが必要か、が書いてある。また読む。


経営戦略全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

三谷 宏治 / ディスカヴァー・トゥエンティワン



フレームワークの歴史がつながりを持ってわかりやすく書いてある。フレームワークを一通り学んだあとに読むといい。一番よかったのは最後のB3Cだった(著者がつくったフレームワーク)。値段の価値はないかな。一回読む価値はあるが、一回でよい、と言う感じ。


異業種競争戦略

内田 和成 / 日本経済新聞出版社



あまり面白みなし。もっと昔に読めばもう少し身になったかも。


世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記 (幻冬舎新書)

竹内 健 / 幻冬舎



著者の気合は感じた。技術者としての悩みが共有できる部分が多かった。確かにその分野ですごい人に出会うと悩むよなぁ~


マッキンゼー プライシング (The McKinsey anthology)

山梨 広一 / ダイヤモンド社



ちらっとしか読んでないが、もう少し定量・実践的内容を期待した。ボスコンのなぜ高くても買うのか、の方が読み物としていい。

一瞬でキャッシュを生む!価格戦略プロジェクト

主藤 孝司 / ダイヤモンド社



覚えていない。
by km_g | 2013-05-07 22:57 |

 内田和成さんの本。仮説思考でファンになってからしばらくこの人の本を読んでなかったが暇だったので読んでみた。 少しネタとして古かったが、一部参考になるところがあったのでメモ。

異業種競争とは、

・異なる事業構造を持つ企業が
・異なるルールで
・同じ顧客や市場を、奪いあう競争

のこと。確かにデジカメ、音楽だけでなく、エレクトロニクス業界でも川上、川下から以外からの参入があったりする。この本によると、なぜ異業種競争が頻発しているかというと、

・日本経済の成熟化
・ITの発達(テクノロジーの発達)

が背景にあるとのこと。ただこの異業種からの参入を脅威と捉えるのではなく、機会と捉えましょうという趣旨。

結局ゼロベースで新しいビジネスモデルを考えることになりそうだが、その中で下のツリーは参考になった。なんか考えるときに参考にしよう。

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by km_g | 2013-05-03 15:13 |

ダントツ経営 コマツ

 コマツの坂根社長の本。本に書いてある通り、確かに体系だってはいないが現実の経営の匂いがする本。新聞、ネット記事で為替、不景気、リーマンショックなど外部環境に一喜一憂するのではなく、何が本質的な変化なのか、問題なのかを見極めて経営している。

ただ、実際に経営をしている人にとっては良いだと思うが、経営を学んでいる人、階層の下にいる人にとってはちょっと物足りないと思うかもしれない。

 読んでいて思った感想は、データを使った証明というか、物事を事実に則って決めている会社だな、ということ。市場判断、競争力比較、生産性などなど。装置から情報収集して在庫圧縮や顧客サービスにつなげる発想もそこから来ているのかもしれない。

 協力企業との関係を密接にして共に成長するという戦略は、まさに以前書いたケイレツそのもの。垂直経営が成立する製造業は参考になる話。ただ、密にするのであれば、なぜ、別会社にしているのだろう、という疑問はわいた。

このこのブログにもあるとおり、コマツはグローバル化に成功している会社だ。そのポイントは、マネジメントの現地化。具体的には、人の現地化と意思決定の現地化だ。日本人が現地に行って経営したくなるが(本社とのコミュニケーションの問題から)、コマツは長くコマツに務めた現地人を現地トップに据えている。それによって、現地ニーズの読み取り、現地社員とのコミュニケーションがうまくいく。そう言えば、最近見たガイアの夜明けでイトーヨーカドーの現地社長?(日本人)の奮闘記をやっていたが、これはまだコマツの前段階。ここから現地の優秀な人材を雇えて、育てて、任せる、ところまで進めないといけない。

 製造業のグローバル化はこれからやっとメインテーマになってくる。その中でコマツ、坂根社長の経営は参考になる。

ダントツ経営―コマツが目指す「日本国籍グローバル企業」

坂根 正弘 / 日本経済新聞出版社


 
 
by km_g | 2013-05-03 14:44 |

グロービスMBAマネジメント・ブック【改訂3版】

グロービス経営大学院 / ダイヤモンド社





・優れた戦略策定の条件
→合理性と論理性、創造性と革新性

・コアコンピタンスの評価軸、要件
模倣可能性、移転可能性、代替可能性、
希少性、耐久性

・経営資源の補完方法
買収、アライアンス、アウトソーシング

・事業ライフサイクル CFが黒字となるステージは?
成長期

・PPMの使用上の注意点は
市場成長率が鈍化してもそのまま市場が衰退していくとは限らない
成熟市場が再活性化するかもしれない
(相対)シェアが低くてもCFプラスかも
負け犬事業部の士気低下

・GEポートフォリオとPPMの違いは?
事業の魅力度を市場成長率だけで示さす、規模・成長率、産業の収益性、インフレ、海外市場の重要性で評価
事業地位を、相対シェアだけでなく、市場における地位、競争上の地位、相対収益率に関する指標で評価

・ポーターの三戦略のそれぞれのリスクは?
コストリーダーシップ
→規模難事業でない場合有効でない

差別化
→コストが高くなる。競合につけいる隙を与えるおそれ(顧客価値の見定めを丁寧に)

差別化集中
→ニッチ

・アドバンテージマトリクスの縦軸は?
ROA

・バリューチェーン
付加価値がどの部分で生み出されているか、を分析


・事業多角化のジレンマ
魅力度が高い事業は、結果競争事業
競争関係が不変
自社の行動様式、企業文化が障害に

・事業の経済性(コストビヘイビア)三つ
規模の経済、経験曲線(コスト低減効果を先に見込んで、低価格でシェアを早期に獲得)、範囲の経済(あくまで複数事業での現象、多様化による賦形剤を上回るか?を考える)

・コストドライバー(10種類)
規模の経済
経験曲線
範囲の経済
設備などの利用状況(稼働率?)
連結関係(サプライヤー、流通チャネルとの関係、サプライチェーンの最適化)
統合(垂直統合などによる5Fの力変化)↑と似ている?
タイミング(FMA)
自由裁量できる政策(製品政策、技術、マーケ手段)←これは普通こと?
要素コスト(原材料、労働力)
制度的要因(規制など)


・二つのM&Aの型の目的
同種の場合
垂直統合:コントロール強化
水平統合:スケールメリット結果としてコスト優位性

・バリューチェーンの再構築(ビジネスモデル開発=事業は大きくは変えない)
by km_g | 2013-04-13 00:00 |