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配当割引モデル

 PERのところでもちょっと述べたが配当割引モデルをちょっと丁寧に書いてみる。

一年後に配当金とキャピタルゲインを得る場合の利回りrは

r =( div + (P1-P0) ) / P0

→P0 = ( div + P1 ) / (1 +r )

同様に、1年後の株価は2年後の配当と株価にリンクするので、

→P1 = ( div_2 + P2 ) / (1+r)

これをP0の式に代入すると、

P0 = div_1/(1+r) + div_2/(1+r)^2 + P2 / (1+r)^2

となる。P2以降も同様に計算すると、結局P0は、

P0 = Σdiv_i/(1+r)^i + Pn/(1+)^n

と、毎年の配当金とn年後の株価を現在に割り引いた値と等しくなる。最後の項は十分小さな値なので、現在の株価は将来にわたって払われる配当金を現在価値に割り引いた値と等しくなる。これが配当割引モデルっと呼ばれる理由である。
by km_g | 2009-10-03 14:46 | ファイナンス

PERと期待成長率

 株価と当期純利益の比をPERと言う。PER=10であるということは、株価が当期純利益の10年分というニュアンスである。

 株式の価値は、企業全体の価値から債権者の取り分である負債を引いた値であるが、毎年もらえる配当金と売却益の合計でもある。後者それぞれをインカムゲインと、キャピタルゲインという。

株価 = インカムゲイン + キャピタルゲイン

DCF法で株主価値を表現すると、毎年もらえるインカムゲインと売却時のキャピタルゲインを配当CFのリスクに見合った割引率で割り引いた額の合計である。

 売却時の株価はそれ以降のインカムゲインと将来のキャピタルゲインで決まるので結局、無限の将来にわたって得られるインカムゲインをリスクに見合った割引率で割り引いた額と等価である。

株主価値=∑配当金_i/(1+r)^i

配当金の源泉は利益である。利益のうち配当金に回されなかった分は、投資に回され、次年度以降の利益を押し上げる。つまり、利益のすべてを配当金にまわさず、一部を投資にまわしその年の配当金が減少したとしても次年度以降の利益の拡大によって配当金が増え投資した年の配当金の減少分と調度相殺すると考え、利益のすべてを配当金に配分したと考えて、株価を算出しても問題ない、ということである。

株主価値=∑利益_i(1+r)^i

ここで、利益が成長率gで成長した場合を考えると、等比級数の和の公式から、

株価=利益_1 / ( r- g )

となる。この時、割引率rは、CAPMから算出する株主資本コストである。株価/利益がPERであるから結局、

PER=1 / ( rE- g )

となる。この式は、非常に有効である。どう使うかというと、例えばrE=15% PER=20の株があるならば、市場から期待されている成長率は、

g = rE - 1 / PER = 10%

という具合である。つまり、この式はPERから市場がどのような成長率を期待してその株価をつけているか、がわかるのである。 その企業の成長率はホントにこの程度が見込めるのだろうか?市場・業界の成長率から大きくかい離はないか?などからその株価が妥当かどうかを推測することができる。MBAでもよくつかう分析方法である。

ただし、当然ながら利益側にノイズがのっている可能性もあるので、おかしいと思われる成長率を前提としたPERでもノイズ(特別損失のような)を取り除くとまともな前提となったりするので注意が必要である。
by km_g | 2009-10-02 16:08 | ファイナンス