ケイレツ 系列?

ケイレツと聞いて、普通は談合とか株の持ち合いとかをイメージするかもしれない。しかし、今こそケイレツを復活させるべきだと思う。

日本が元気がないのは新しい企業が生まれないためだ。国の成長に大きな影響を与える企業の成長を考えた場合、既存の企業ががんばるか、新しい企業ががんばるか、って考えた場合新しい企業が頑張ることが今の日本に必要だと思う。

時価総額上位10社とか見てみても、日本の場合おそらく10年前と今では登場人物は大きく変化していなんではないだろうか。しかし同じ先進国でありながら成長しているアメリカを見ると、アマゾン、グーグル、アップルと新しい顔がどんどん登場している。つまり、日本とアメリカを比較した場合、成長しているかしていないかは、新しい企業の頑張りに差があったためではないかと。

では、日本のベンチャーはなぜ元気がないか。その答えの一つがケイレツではないかと思う。ベンチャーが成長する時、大きな壁はその商品を買ってくれる顧客はいるのか?どこにいるのか?ということではないだろうか。ベンチャーが作った商品は大体の場合その状態では売れない。確かに便利だけどお金を払ってまでではない、なんか使いづらい、今ひとつ、ってことが多いのではないだろうか。

このような段階で重要なことは、リスクをとって買ってくれる顧客を見つけること、出会うことである。マニアとも呼ばれるカテゴリーかもしれない。このセグメントの顧客は、その商品の価値を知ろうとしてくれて、価格に見合っていなくても買ってくれる、使ってみてくれる。こんな顧客に出会えたらベンチャーは幸せである。でもなかなか出会えない。顧客×商品の精度が甘くても、資金を調達し、設備投資し、一気に燃え尽きる。

そんな時、ケイレツがあれば、そのケイレツ間で商品を使ってあげて、フィードバックしてあげて、融合してあげて、こんなことが行われればなんと幸せなことか、なんと成功確率があがることか。

しかし、日本にはない。もうない。アメリカもにもなかった。しかしアメリカでは同様の機能をベンチャーキャピタリストが担った。先日、アマゾンやグーグルのCEOとオバマが会食したというニュースが出ていた。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aiOGru7R.7J0

この会場はどこかというと、著名ベンチャーキャピタリストのジョンドーアの家(正確には会食するためだけの家らしい)である。つまりこの会食を取り計らったのがこのジョンドーアである。アメリカでは、ベンチャーキャピタリストがベンチャー企業同士を融合させたり、商品の最初の顧客となりうる企業を紹介してあげたりといった、まさにケイレツの機能をはたしているのである。どうも、シリコンバレーのベンチャーキャピタリストは80−90年代の日本のケイレツからこの重要性を学び、インフラを築き、今日のアメリカの発展に寄与していると言われているらしい。

日本でケイレツの機能を担うのは、コングロマリット企業か、商社か、はたまたベンチャーキャピタルか。いずれにしろ、一刻も早く整備すべきだ。
by km_g | 2011-02-26 15:26 | MBA他

■資金の余剰、不足額の推定
事業計画をまず作成する。期間は5年程度。なるべく長期間に必要な資金を集められればよいが、一気に資金調達は無理。増資であれば希薄化の可能性があるし、社債であれば無駄な利息を払うハメになる。かといって資金調達は、面倒であり、また証券会社に手数料を支払う必要があったりで、なるべく回数は少ない方がいい。このようなバランスから5年程度が一般的。

事業計画(財務計画)は、やはり定性分析にのっとったものでなくてはいけない。財務計画は売上原価などいろいろな項目がありどうしたらよいかわからなくなる場合があるが基本的に、売上高をまず決定し、その他の項目は売上高比率で自動的に決定すればよい。その時、過去からの推移。競合と比較をし変化させるならその理由を説明できなければいけない。売上高成長率も、市場成長率よりも高い(シェアアップ)ならばその理由がなくてはいけない。いつもチェックするのは、売上高成長率、最大コストの売上高比率、営業利益率、総資産回転率、あたりか。ここが不自然でないかチェック。

BS、PL、CF計算書のすべての項目を作成できれば望ましいが、今のイシューは資金の余剰、不足を見積もることだからそれに必要でない項目はとりあえずほっておく。また、事業に関係ない有価証券の売却益などは、別途計算するので本業に関わる項目だけでよい。

事業から得られるCFと事業への投資CFの合計は、以下の通りに計算できる。ここでは、この項目を営業FCFと呼ぶ。アカウンティングであればこれに支払利息や配当の支払いも含める必要があるがここでは別に計算する。こっちの方がファイナンス的でわかりやすい。

営業FCF=営業利益+減価償却費ー税金ー運転資本の増加額―設備投資

で算出できる。

次に、財務の返済と支払利息と支払い配当金をここからマイナスする。

資金の余剰(or不足)=営業CFー支払利息ー配当金ー債務の返済

この値を5年算出し、その累積がマイナスであればその金額を少なくとも外部から調達する必要がある。ただし、配当金はこちらでコントロールできるので、払い過ぎと思うのであれば減額して構わない。ただし減配を大きなマイナスのシグナル効果を伴うのでしっかりと説明する必要がある(成長のための一時的な減配である、とか)。


■格付けの決定
なぜ格付けを重要視すべきかというと、特に社債の調達に大きな影響を及ぼすから。重要な投資家である機関投資家は投機的と見なされるBB以下はルール上ポートフォリオに組み込めない場合が多い。

よって、実質的にBBB異常を目指すことになるが、ここは資本コストが重要となる。BBB以上であればAAAとBBBで利率はそれほど変わらない。従って、あえて負債を減らしAAAにしたところで、節税効果のロスというデメリットの方が大きい場合が多い。

格付けに影響を与える指標は多い。自己資本比率、インタレストカバレッジレシオ、営業利益率、売上高の規模、その他のカバレッジ。これらのどの指標を重要視するかでBBBになったりBBになったりする。業界にもよるが一般的にインタレストカバレッジが最も重要視されると言われている。従って、少なくともインタレストカバレッジが規定値を上回っていることは必須であろう。

ただし、これらは業績が計画通りに進んだ場合である。資本コスト最小化の視点に立てば、BBBとBBの間がベスト。ただし、業績が悪化したらBBの領域に入ってしまい、ジャンク債となってしまう。よって、自社の事業の業績のリスクを考慮してある程度余裕を持って計画することが必要である。その結果資本コスト最小化のポイントを外したとしてもそれでいいのである。新規事業のための資金調達であればかなり余裕が必要かもしれない。

■資本構成の決定
最初のステップで、資金不足が発生しているのであれば、配当の減額、外部からの資金調達が必要である。いくら調達したらいいのか、どうファイナンスしたらよいのかを格付けをシミュレーションしながら決めていく。全額負債にしたら自己資本比率はどうなるか、インタレストカバレッジはどうなるか、半分増資で調達したらどうなるか、と適当に数字をいれて雰囲気を把握する。

どうしても目標格付けが難しいのであれば、設備投資を縮小することも考えなくてはいけない。ただここも経営戦略、課題に照らし合わせて、どうしても設備投資を下げられないのであれば、なんとか増資を増やしたり、配当ゼロも香料していく。


■ダウンサイドでのシミュレーション
よくベース、ダウンサイド、アップサイドの3つを考量する場合が多いが、はっきりいってアップサイドはいらない。最も最悪の場合にどうなるか、自社は耐えられるか、が重要なのである。ではダウンサイドをどう定義するかであるが、どのコストをいじってもいいが、単純に営業利益率を過去最悪の場合にした場合でもよいかもしれない。また競合他社の最低水準の場合でもいいかもしれない。どうなれば格付けがBBになり、どうなれば債務超過になるか、といった視点からの分析の方がいいかもしれない。このような分析をストレステストと言うが、ダウンサイドと分けて行う場合もある。


■意思決定
定性と定量のバランスが重要。単純に格付けを目指しても無意味。自社の課題は何か?なぜ資金調達をするのか?しないと戦略にどう影響するのか?なぜ今なのか?株式市場は増資に向いているか?来年じゃだめなのか?なぜ格付けBBが怖いのか?非上場で良い企業もある。株主へのシグナル効果は重要視すべきなのか?マイナスシグナルがあるとしたら、解決する方法はないのか?

総合的に考え、今重要なのは何か?を考えて意思決定する必要がある。
by km_g | 2011-02-15 18:40 | ファイナンス

買収提案をうけたら TOB

買収提案を受けたとき、何をどう考えればいいのか。いいことなのか悪いことなのか。わかるようでわからない。

■市場はどう見ているか
経営者自身はおいといて、市場はどう見ているかを考える。買収提案を受けた自社の株価が上がった場合、これはどういうことなのだろうか。普通は買収価格まで株価が上昇する。例えば買収提案前の自社の株価が100円だとして、150円で買収提案うけたとする。この時に自社の株価は当然150円付近まで上昇する。なぜならもし140円で買えたら150円で買収企業に売れば10円の儲けがノーリスクで手に入るからである。

まれに、買収提案価格を超えて例えばこの場合155円まで上昇することがある。これはどういう事だろう。これも基本同じ理屈だが、市場が買収価格がもっと上がるのではないか?150円では大多数の株主は買収提案にのらないのではないか。と考えている可能性が高い。

一方、買収提案側の企業の株価も変動する。上昇した場合、下落した場合どういう事なのだろうか。仮に上昇した場合を考える。なぜ上昇するのだろうか。これは、安くお買い物ができたということ。100円で売られていた企業を150円で買収しようとしている。本来であれば、50円の損であるはずだが、これは本来価値が100円ではないのである。実は160円の価値があるものを150円で買った。この差額が利益であり株価上昇の根拠である。下落した場合は単純に高値買いである。

ここまでの議論は、買収側と非買収側で分けて見てきたが、実が2社全体で把握することが重要である。例えば買収側の株価が下落し、非買収側の株価が上昇したとする。これは、買収側から非買収側に富が移転したことになっている。

現実には、買収側の株価も上昇し、非買収側の株価も上昇する場合もある。例えば、

買収企業
株価200円
株式数100枚
時価総額20,000円

非買収企業
株価100円
株式数100枚
時価総額10,000円

2社自社総額合計30,000円

のような時、買収企業側が非買収企業に対し150円(全額現金)でTOBをかけたとする。その時、非買収側の株価が150円まで上昇し、買収側の株価が220円に上昇したとする。この時、その時の株価での時価総額は、

買収側
220円×100枚=22,000円

被買収側
150円×100枚=15,000円

2社時価総額合計37,000円

買収提案の前後で7000円の価値の変化がある。これはなんなのだろうか。(本来であればTOPIXのような市場全体を表す指標からみた実質的な変化で議論しないといけない。例えば市場全体が上昇して、βを通して株価が上昇しているかもしれない。要は、今回の買収提案の実質の効果で議論すべきだということ。例えばこの間でTOPIXが1%上昇したとすると、買収側の株価の変化のうち買収提案の実質の効果は、

220円―200円(TOPIX変化*β+1)

と計算しなければいけない。)

さて、この7000円の意味である。これは、両社が一緒になることで発生しるシナジーの市場評価額である。今回の買収提案によって社会全体の価値が7000円上昇すると思っているのである。つまり評価しているのである。少なくとも市場は。。。


■なぜ買収提案をうけたか
そもそもなぜ自社は買収提案を受けたのだろうか。市場株価が安すぎたかもしれない。シナジーが効かせられるからだったかもしれない。しかし、一言で言うと企業価値を高められる余地があったからである。その可能性の候補としては、

・不効率なコングロマリット
・節税効果の余地
・市場が安く評価してしまっている(IR不足)

などであろうか。企業はポイズンピルなどの買収防衛策を講じる事が多いが、一番の防衛策は企業価値を最大化する経営である。もし、シナジーによってさらに企業価値が上昇するなら買収提案はうけるべきであろう。


■株主以外のステークホルダーのために
自社の株主の観点で言えば、最も高い価格を提示した買収者に売ればよい。というか、そもそも経営者に株主の財産にどうのこうの言う権利などなく、勝手に株主は売るかどうかの判断をすればよい。

しかし、従業員、取引先、債権者、顧客などのステークホルダーはどうか。TOBに賛同した株主は手元の株券が現金化し、終了である。しかし、もし買収者が無理な前提で算定した株価での買収だったとしたらどうだろうか。過剰な負債を抱えぎりぎりまで節税効果を撮り行くことを前提としていたらどうだろうか。うまくいけばよい。景気が悪化し、利息が支払えなくなったらどうなるだろうか。その場合損をするのは、自社の株主以外のステークホルダーと買収側の株主である。

自社の経営者として、買収者の提案内容、価値向上計画を審査する必要がある。本当に価値があがるのか?そのシナジーは実現するのか?具体的にどんなシナジー効果を前提としているのか?短期的利益のために過剰なリストラを前提としていないか?外部にそこまで判断できるのか?を経営者は考えなくてはいけない。

自分の保身は確かに頭によぎるかもしれないが、経営者たるものあらゆるステークホルダーの立場にたって、一番重要なことは何か?どんな意義があるのか?を考えて買収提案を評価したらよいのではないか。
by km_g | 2011-02-13 15:43 | ファイナンス

IPOを見据えた会社経営

IPOは設立時から考えなくてはいけない。しかし、直前にやりさえすれば良いこともある。一概にすべて外注したり、人数増強で対応すると大幅なコスト高になる場合が多い。要は、社内ガバナンスができてるかどうかが重要。手段は問わない。常識と違う手法をとっていたとしてもオペレーションできていれば審査は通る。

上場を意識して、設立当初からしっかりやっておかないといけないことは、財務監査、社内体制など。逆に直前(1年)でいいことは、上場市場の選定、タスクフォースチームの編成、審査書類の作成。このあたりは、短期集中、少人数の方が断然有利。一人で経理、財務、総務などの兼任していれば、手続きミスや監査の簡素化が実現できる。

主幹証券会社、監査法人などまで含めたチームワークが重要。
by km_g | 2011-02-13 14:17 | ファイナンス

投資先選定の時、いろいろ分析するけど結局わからない。良いところも悪いところも同じくらいある時がある。その時は、観察力と大局を見ることが重要。観察力は人間観察のこと。Human
understanding
。ここで大局を見るとは、未来を考えること。大きな時代、社会の流れは一企業の少々のミスをかき消すくらいの力がある。ここを間違えるとどんなに間違っても失敗する。逆にここを抑えるとなんとかなる。

最先端はデータがない。ここは想像する、考えるしかない。しかし、構造からある程度予測できるはず。やはり考えることは重要。調査会社の調査資料は案外テキトー。危険。自分で考える。深く考える。

成功する起業家を判断する力は、ポイントは起業家・経営者にたくさん会うこと。これで
なんとなく自分で分かってくる。行動が重要。投資先の経営者からたくさん学んだ。起業家と合った時、または自分が起業するとき、問うべき問いは、

どんな起業家になりたいか?
どんな事業をしたいのか?
どんな会社にしたいのか?

ベンチャー投資を組織の中で実行するのは難しい。個人の独創性と組織の合理性はなかなか融合しにくい。

新規事業を行う上で日本ケイレツは実はとても良いシステム。新ビジネスを行う時に最初の重要なステップは、まだ完全じゃない製品をお金を出して買ってくれるお客に合うこと。ここからフィードバックをもらったり販売システムの基礎を築く。しかし、この顧客に出会うのが難しい。失敗するビジネスの典型は、このフィードバックをくれる顧客に会ってフィードバック、製品の改善、仮説の再構築を行う不完全な状態で一気に投資して、拡大し、人材を採用して、結果顧客が思ったほどいなかった、売れなかった、資金が一気に燃え尽きた、という事例。この失敗をヘッジしてくれるのがこのリスクをとる顧客。

ケイレツは、そのリスクをとってくれる顧客が自社グループがいること。ここにとりあえず販売しフィードバックをもらうことで精度の高い仮説が構築でき成功する確率アップに重要だった。しかし、現在の日本はケイレツの悪い部分だけが取り出さられ崩壊しつつ。米国のシリコンバレーのVCは、実はこのケイレツのモデルを採用し大きな復活を遂げた。

http://www.worldlingo.com/ma/enwiki/ja/Keiretsu
by km_g | 2011-02-13 13:28 | ファイナンス

企業再生の局面

企業再生の局面

■事業の見極め
再生が必要になる場合は大きく分けて2種類。無駄投資型と本業切迫型。無駄投資型とは、本業はまともなんだけども例えばバブル時の無駄な土地購入をし、資産価値が暴落し債務だけが残り債務超過に陥る場合。この場合は、債務リストラだけでなんとかなる場合が多い。さっさと法的整理を行いDESあたりで再生すればいい。ただし、事業のタイプによって、法的整理に陥ることがマイナスになる場合はプレパッケージ型にし、破綻より生まれ変わる、というようなイメージを持たせることが重要である。

一方本業切迫型は深刻である。債務リストラが一時的にできたとしても本業が赤字であるとまた同じ状態に陥るからである。この場合事業のリストラ、再生が必要で、かなり難しい。

事業が赤字になる原因はいろいろある。業界そのものがダメになっており自社の努力では抜本的解決に繋がりにくい場合。要は土俵が悪い。この場合は、撤退、売却が妥当な意思決定である。しかしながら、売却先があるか?撤退費用があるか?という問題がある。売却できるならそれが望ましい。キャッシュが入り、債務の返済にあてられるからである。しかし、業界が衰退にむかっているならばわざわざ事業を買って参入してくる企業があるか?そもそもM&Aする経済合理性はあるか(規模の経済、範囲の経済、強みの獲得)?という問いに応える必要がある。

また残った事業も問題である。通常高値で売却できるのは良い事業に決まっている。とすると、本体に残った事業とは微妙な事業であることが多いかもしれない。優良事業の売却収入がリストラ費用以上にあれば債務の返済にあてられるが、リストラ費用などでほとんど消えてしまったら大変である。残った事業が、膨大な債務を背負えるか?ということである。一般的には、債務はEBITDAの7〜10倍までとなっている。もし、背負えないなら、優良事業の売却案は、債権者の同意が得られないだろう。

撤退も簡単にはいかない。例えばリストラ費用。1000人解雇する場合、一人1000万円退職金を支払うならば1000億円のキャッシュが必要になる。また引当金があるにしても特別損失を計上する必要があり債務超過が悪化してしまう。このように、事業性のない事業をリストラするにしても、簡単にはいかないのである。



■意思決定できるか
このように、にっちもさっちもいかない状態になる前に手を打つ必要がある。銀行が貸してくれるうち、増資ができるうち、リストラ費用が払えるうち、新しい事業に投資ができるうち、に手を打てるかがやっぱり重要かもしれない。ではJALを初めそれができなかった企業はなぜできなかったのだろう。

事業性の見極めは、例えば大企業であれば優秀な人は少なからずいるはずで気づく人はいるはずである。ではなぜできないか?それはおそらく組織、場の空気であると思う。売却にしろ、撤退にしろ大きな変化である。心のどこかでそれを気づいていたとしても提言できるか?そこが問題である。

組織内にいる人間は、意思決定難しいだろう。なんかしらの外部からのガバナンスが必要ではないかと思われる。本来であれば株主総会屋、株主によって選出された取締役がこの機能をもてば良いが、日本の場合、物言わぬ株主であるから難しいのかもしれない。社長自身がこのような事態に陥るリスクを理解し、社外取締役の設置や、第三者機関によるチェックなどの施策を講じる必要があるかもしれない。
by km_g | 2011-02-08 11:41 | ファイナンス

エコノミックプロフィット EVA

エコノミックプロフィット(=EVA)とは、日本語で言うと経済的付加価値と言うらしい。これは何かと言うと、簡単に言ううと、株主資本コストまで考慮した純利益のことである。

普通の純利益は、原価、経費、負債コストである支払利息、税金を払った後の利益である。しかしながら、企業は株主に対してもコストを負担しており、それが株主資本コストである。負債コストのように契約で明確に〜%と明記されてないので、(つまりかなり解釈に幅がある)財務諸表には明示しにくい。

とは言っても、株主の期待以下の利回りしか上げられない企業の株価は下落し、企業価値は低下する。経営者として、財務諸表に無関係だからと言って株主の期待利回りを考慮しないわけにはいかない。EVAとは、この株主資本コストつまり、株主への支払いまで考慮した後の本当の意味での純利益のことである。EVAがプラスであることは、資本コスト以上の利益を上げているということなのである。

このように、EVAは自社が株主まで含めたすべてのステークホルダーへの支払いを上回る利益をあげてるだろうか、と経営者がマネージメント、評価するときに使う管理指標なのである。

では、どう計算するかと言うと、直感的に分かりやすい式で書くと、

EVA=売上高一通常の費用項目一資本費用

となる。通常の費用項目とは、原価、営業経費、税金のことである。資本費用とは、債権者、投資家への支払いのことである。EVAを(売上高―通常の費用項目)と(資本費用)の2つに分けて計算する。

■(売上高―通常の費用項目)
ファイナンスでは、税金の取り扱い方が簿記とは少し異なる(どっちかが間違っているとかじゃなくて計算スキームの違いだけのこと。どっちも正しい)。簿記(財務会計)の世界では、税金は、税引前純利益に税率を掛けて算出する。もし、支払利息を多く支払えば、税引前利益が低下し、支払う税金の絶対額は低下する。

一方、ファイナンスの世界では、支払利息の増減による支払う税金の増減をいったん無視し、その効果はWACCで調整する(負債が増えると負債コストを低下する調整を組み込む)。なぜこうなっているかというと、事業の評価と、資本政策の評価を分けて議論できるからである。よって、税金額を営業利益*税率の仮定して計算する。

(売上高―通常の費用項目)=営業利益*(1−税率)

これをNOPAT(Net Operating Profit After Tax)と言います。

■資本費用
財務会計で言うところの、支払利息がこれにあたる。しかし、これに株主本コストを考慮しなければいけない。しかし、これは簡単で、債権者への支払い=支払利息=有利子負債×負債コスト(%)だったので、株主への支払い=株主資本×株主資本コスト(%)とすればいいだけのことである。これを合計して、

資本費用=(有利子負債+株主資本)*WACC

となる。ここで、(有利子負債+株主資本)は投下資本と呼ばれる。この定義式は、BSの右側での表現であるが左側で定義すれば

投下資本=(固定資産+運転資本)=(有利子負債+株主資本)

と書かれる。


最終的に、EVAは

EVA=NOPAT―投下資本*WACC

で計算できる。ちょっと変形すると、

EVA=投下資本*(NOPAT/投下資本―WACC)=投下資本*(ROIC―WACC)

となり、こう表記している本もある。ROICは、Return On Invested Capital。

EVAをここまで見てきたが、EVAは資本コストを上回る利益、つまり企業が生み出した価値そのものである。つまり、将来にわたって生み出すEVAの現在価値の合計と現在投下している投下資本の合計が企業価値そのものである、

企業価値=投下資本+将来にわたるEVAの現在価値の合計

ということである。
by km_g | 2011-02-03 14:57 | ファイナンス