3月期の決算短信が出揃ったので、軽くバリュエーションしてみた。パナソニックやSHARPも気になったし。

まず、最近ファンドにコングロマリットディスクカウントを指摘されたソニー。営業利益は少ないながらも改善しているようだ。たぶん金融だな。がんばったのは。売上もその他が落ちてる中で、伸ばしているのはまぁまぁかな。
株主資本率はちょっとやばい。増資とかするかもだな。

バリュエーションは、PERでも見るとちょっと割高。けど、PBR、EVITDA倍率で見ると割安感がある。これは、当期純利益が小さすぎるのと、現預金が意外にたくさんあるからだな。

増資が怖いけど、株価的には買いでもいいかなって感じ


パナソニック。
売上高が低下しているが、営業利益率はちょっと改善している。固定費の改善が進んだと思われる。有利子負債がかなりへっていて、先今期と続いた大赤字の中で株主資本比率をなんとか保っている。設備投資の削減、現預金の取崩しが原資か。

とは言え、財務状態は思ったほど悪くない。シャープと違って事業戦略さえ定まればすぐに戻りそう。(それが難しいのか)

バリュエーションは、最近また上がったらしいがそれほど割安感がある気がしない。来期のV字改革次第。


日立。
一番無難なところ。営業利益率も電機メーカーにしてはまぁまぁ。さすがインフラ。ただ強いて言えば、売上成長率がもっとほしい感じ。

バリュエーションは、まぁ妥当な状態。特に割高感はない。バブル?がはじけても大きく下がらないだろう。逆に下がったら買いだな。


東芝。
ここもインフラのおかげで持っている感じ。ただ相変わらず、負債が多い、現金が少ない。こんなんで半導体投資できるのか?カネがないってのが悩みな感じ。

バリュエーションはEBITDA倍率で妥当な感じ。そのほかのPER、PBRで見るとちょっと割高。これ以上はあがらなそう。


三菱電機。
営業利益が大きく低下している。何があった?自分の営業利益率が普通になてしまっている。

バリュエーションは、ちょっと割高。


シャープ。
さすがにやばい状況。株主資本比率がやばい。サムスンに100億円程度出資されたくらいでは全然駄目。銀行が融資するとかいってるが、金利はどのくらいだろう?増資はだれがするんだ?DECとかになるのか?

ただ、売上が落ちてないのが救い。コストカットと、収益性の高い戦略にシフトできるか。

バリュエーションは、PERがわからないが、EBITDA倍率ではちょっと割高。


JVC
ここは収益性が悪いが、株主資本比率もまぁまぁで、現金もある。何かに投資できる体力はありそう。ただ利息率が高い。なんでか。

バリュエーションは、ちょっと割安。今の株高の状況なら倍になってもいい状況。



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by km_g | 2013-05-16 00:16 | ファイナンス

 きゃりーぱみゅぱみゅの人気がすごい。最近は海外での公演もこなしているとか。人気の起爆剤は、Youtubeのプロモ。コメントも英語のものも多いし。そこで、これがどれほどすごいのか、AKBとくらべてみた。

 最初の図を見ると、なんかAKBの方がアクセス数が多いことが分かる。実はAKBの方がやっぱりすごいのか。

で、3枚目の図はYoutubeに投稿してから現在までのアクセス増加速度(アクセス数/ 経過日数)を、発売日?投稿日の古い順に並べたもの。これをみると、最初はAKBと違いがないのに最近の数曲は、AKBを上回るアクセス増加速度だ。一方AKBはむしろ低下している。

AKBの人気は低下中? きゃりーぱみゅぱみゅは増加中?

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by km_g | 2013-05-12 20:36 | 日常

GWに読んだ本


ダントツ経営―コマツが目指す「日本国籍グローバル企業」

坂根 正弘 / 日本経済新聞出版社



日本で数少ないグローバル化を成功させている企業の話。体系的感がちょっと物足りない。


グローバル・エリートの時代 個人が国家を超え、日本の未来をつくる

倉本 由香利 / 講談社



ダントツとはちがってこちらはグローバル化を体系的に述べている。販売のグローバル化、生産のグローバル化、組織のグローバル化、の流れがわかりやすい。


ロジカル・リスニング

船川 淳志 / ダイヤモンド社



この中で一番。ロジカルシンキングの先のコミュニケーションにまで踏み込んだ話。単純にロジカルの考えるだけでなく、ロジカルに伝える、聞く、そして協力するためにはどういうスキルが必要か、が書いてある。また読む。


経営戦略全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)

三谷 宏治 / ディスカヴァー・トゥエンティワン



フレームワークの歴史がつながりを持ってわかりやすく書いてある。フレームワークを一通り学んだあとに読むといい。一番よかったのは最後のB3Cだった(著者がつくったフレームワーク)。値段の価値はないかな。一回読む価値はあるが、一回でよい、と言う感じ。


異業種競争戦略

内田 和成 / 日本経済新聞出版社



あまり面白みなし。もっと昔に読めばもう少し身になったかも。


世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記 (幻冬舎新書)

竹内 健 / 幻冬舎



著者の気合は感じた。技術者としての悩みが共有できる部分が多かった。確かにその分野ですごい人に出会うと悩むよなぁ~


マッキンゼー プライシング (The McKinsey anthology)

山梨 広一 / ダイヤモンド社



ちらっとしか読んでないが、もう少し定量・実践的内容を期待した。ボスコンのなぜ高くても買うのか、の方が読み物としていい。

一瞬でキャッシュを生む!価格戦略プロジェクト

主藤 孝司 / ダイヤモンド社



覚えていない。
by km_g | 2013-05-07 22:57 |

投資判断

投資をするかしないかはどうやって判断したらよいか。新しいビジネスを始めるというニュースを見ると担当者が、「~年で投資が回収できる見込みです」とか言う。投資回収が早ければ良い投資で、遅ければ悪い投資というわけだ。つまりこの担当者は投資回収期間が投資するかしないかの判断の一つになっている。


もちろんこれは正しくない。なぜかというと、投資回収後のCFを無視しているからだ。投資回収が遅かったとしても、その後長い期間に渡ってキャッシュを出し続けて儲けられるかもしれないが、その可能性を無視してしまっている。もう一つ間違っている理由は、これは多分だが、会計ベースの利益で判断している点である。営業利益であったとしても、純利益であったとしても間違いだ。


投資判断の基準は、その投資によって発生するキャッシュ・フローの現在価値プラスかどうかだ。


■NPVだけでなく、IRRも見る
NPVはある割引率を決めて計算した結果得られる値だ。NPVがプラスということは、その投資が価値を生むということを示している。しかし、この割引率が問題で、この割引率はだいたいでしか決まらない。だから結局割引率で感度分析することになる。IRR(NPV=0となる割引率)であれば、割引率とNPVの感度分析しなくても判断しやすいことが多い。NPVだけでなくIRRも計算した方がよい。


■割引率
IRRが算出できたとしても、ハードルレートがわからなければやっぱり判断ができない。そのハードルレートは普通はその企業全社のWACCを使う。ただし、複数事業を行なっている企業だったり、単一事業の企業でも新しいビジネスへの投資の場合、全社のWACCはその投資案件の割引率としてふさわしくない。あくまで、その事業のリスクに見合ったハードルレートを判断軸としなければならない。



■最終年度の取り扱い
企業のバリエーションと違い、工場建設などの投資の場合永久にCFが続かない。ある年度まででCFはとまる。最終年度のCFの取り扱いはちょっと注意が必要だ。最終年度に起こりそうなことといえば、


・新しい工場を建設しなおすので、現工場は廃棄→簿価分の損失が発生し、節税効果が発生
・最終年度の次年度に売掛金などの運転資本が返ってくる(CFがプラス)


くらいが想定される。10年とか先を想定している場合あまりこれらの効果は大きくないが、細かいところまでモデルが配慮されているかどうかは、全体の信用度に関わるので、一つ一つのモデルに気を配っておく方がよい。


■ホントにその投資のみによって発生するキャッシュのみを計算しているか?
NPVを計算する場合、その投資をしなかった場合を考えておく必要がある。その投資をしなくても発生する売上だったり費用を加えると判断を間違えてしまう。例えば、研究開発費(他の製品に関する費用も入ってる可能性)




■既存事業とのカニバリのマイナス分は?
前述の話と関連するが、新しい製品なりの投資の場合、既存製品とのカニバリが発生してしまい、既存製品の売上が落ちることが想定されることもある。このマイナス分を考慮すべきか。これはやはり投資をしなかった場合を正確に把握できているかが、大切だ。新製品投資をしなかった場合どうなるか。もし、競合が新製品と似たような製品を発売するとしたらやはり既存製品の売上は落ちる。この場合、自社の新製品の投資をしようがしまいが、やはり既存製品の売上が落ちる可能性が高く、そうであればカニバリの売上低下分の効果は新規投資に含めるべきではない。



■なぜNPV>0になるのか
最後にこれが意外に一番大事だが、NPVがプラスになったとして、それがなぜプラスになるのかを定性、定量的に説明できなくてはいけない。従来の売れない製品(NPV<0)とほとんど改良がされていない製品への投資なのにNPV>0となる財務計画はおかしい。つまり、その案件が競争優位性を持ってるのかどうかが、説明できていなくてはならない。


・大量生産によって、原材料が安く仕入れられたからNPVがプラス
・新しく開発した良い技術だからNPVがプラス
・誰も気づいていない新しい市場への参入(FMA)だからNPVがプラス

などなど。これが説明できないとどんなに精緻な財務モデルでもアウト。



■シナリオ分析、オプション
もう一つ。未来を予測するのはやっぱり難しい。競合が入ってきたら、製薬のように開発に失敗したら、などなど。このような大きな状況変化が想定される場合。シナリオ分析しておくと良い。最も大きなマイナス事例が発生した場合、どのくらいの価値損失が発生するのかを把握しておくのは非常に大切だ。

このようなシナリオ分析の延長として、様々なオプションを考慮する場合もある。例えば


・投資を少し延期
・段階的投資
・成長投資(さらに大きな投資)
・撤退、縮小投資


などなど。シナリオ分析を行なって、おそらくそれぞれの発生確率をおおよそ決めてその期待値で判断すると思われるが、これらオプションを(多くは投資の時間的な意味合い)の価値をより正確に考慮する方法がリアル・オプションだ。計算方法は金融工学のオプションの方法を使う。ここまで計算している事例は少ないだろうが、大切なのはどんなシナリオがまず想定されて、それによってどのくらいの影響を被るのか、それがどのくらい発生しそうなのか、どうしたら被害を最小化できるのか、をまず定性的に把握することだ。


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by km_g | 2013-05-07 12:57 | ファイナンス

 内田和成さんの本。仮説思考でファンになってからしばらくこの人の本を読んでなかったが暇だったので読んでみた。 少しネタとして古かったが、一部参考になるところがあったのでメモ。

異業種競争とは、

・異なる事業構造を持つ企業が
・異なるルールで
・同じ顧客や市場を、奪いあう競争

のこと。確かにデジカメ、音楽だけでなく、エレクトロニクス業界でも川上、川下から以外からの参入があったりする。この本によると、なぜ異業種競争が頻発しているかというと、

・日本経済の成熟化
・ITの発達(テクノロジーの発達)

が背景にあるとのこと。ただこの異業種からの参入を脅威と捉えるのではなく、機会と捉えましょうという趣旨。

結局ゼロベースで新しいビジネスモデルを考えることになりそうだが、その中で下のツリーは参考になった。なんか考えるときに参考にしよう。

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by km_g | 2013-05-03 15:13 |

ダントツ経営 コマツ

 コマツの坂根社長の本。本に書いてある通り、確かに体系だってはいないが現実の経営の匂いがする本。新聞、ネット記事で為替、不景気、リーマンショックなど外部環境に一喜一憂するのではなく、何が本質的な変化なのか、問題なのかを見極めて経営している。

ただ、実際に経営をしている人にとっては良いだと思うが、経営を学んでいる人、階層の下にいる人にとってはちょっと物足りないと思うかもしれない。

 読んでいて思った感想は、データを使った証明というか、物事を事実に則って決めている会社だな、ということ。市場判断、競争力比較、生産性などなど。装置から情報収集して在庫圧縮や顧客サービスにつなげる発想もそこから来ているのかもしれない。

 協力企業との関係を密接にして共に成長するという戦略は、まさに以前書いたケイレツそのもの。垂直経営が成立する製造業は参考になる話。ただ、密にするのであれば、なぜ、別会社にしているのだろう、という疑問はわいた。

このこのブログにもあるとおり、コマツはグローバル化に成功している会社だ。そのポイントは、マネジメントの現地化。具体的には、人の現地化と意思決定の現地化だ。日本人が現地に行って経営したくなるが(本社とのコミュニケーションの問題から)、コマツは長くコマツに務めた現地人を現地トップに据えている。それによって、現地ニーズの読み取り、現地社員とのコミュニケーションがうまくいく。そう言えば、最近見たガイアの夜明けでイトーヨーカドーの現地社長?(日本人)の奮闘記をやっていたが、これはまだコマツの前段階。ここから現地の優秀な人材を雇えて、育てて、任せる、ところまで進めないといけない。

 製造業のグローバル化はこれからやっとメインテーマになってくる。その中でコマツ、坂根社長の経営は参考になる。

ダントツ経営―コマツが目指す「日本国籍グローバル企業」

坂根 正弘 / 日本経済新聞出版社


 
 
by km_g | 2013-05-03 14:44 |