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これまでは、IT系のベンチャーやベンチャーキャピタルが話題に上ることが多かったけど、昨年から大学に紐付いたベンチャーキャピタルだったり、メーカーと既存VCが組んでなんかやる、みたいなニュースが目に入るようになってきた。

大学発ベンチャー 投資資金が拡大

大学発ベンチャー、育成ファンド1000億円に 1年で2.6倍


背景にあるのは、産業競争力強化法とIT系のベンチャー投資が競争激化しており、儲からなくなってきたことがあると思う。特に後者の要因は、調達金額があまり多くないため、少数のVCのみで抱えるケースが多く、結果特定のVCに成果、案件が集中してしまい、その他はバリュエーションが高かったり、フォローで少額でしか投資できなかったり、とあまり儲からない。なので、テック系だ!となっているんだと思われる。

しかし、この分野はこれまで失敗続きだった。要因は、

  • 長い期間に耐えられるまとまったカネが投資されてこなかった。
  • 技術評価に目が行き過ぎで、技術が良ければベンチャーとしてオーケーとなり、経営能力、チームが未成熟だった。
  • 自前主義。アライアンス能力不足。
  • 投資家側に最低限の当分野の技術の素養がない。

この4点が解決すれば十分に日本からもテックベンチャーが量産されると思う。最近のテック系投資家がこれらを全て備えているか、が成功のカギだと思う。

大学に紐付いたベンチャーキャピタルは、カネについては十分だと思うが、2点目が不安な気がする。また、ガバナンス面も不安である。大学からの世話になっている教授への投資を依頼されてフェアに評価できるか。

民間系テックVCはカネとソーシングが課題と思われる。バイオと同様にテック系は長い潜伏期間となる場合が少なくない。ここは民間マネーには耐えられない。なので、ここは、大学VCやNEDOやJSTの補助金をうまく使うことが有効だと思う。次にソーシング。大学やその他技術シーズは商業化する意識が薄いこともあり、情報発信していないことが多い。リソースが少ない民間VCは拾いきれないかもしれない。大学や産総研などの研究期間、TOLと連携して案件を継続的に紹介してもらう体制構築が有効かもしれない。

↓はテック系VCリスト。昨年から一気にファンド組成されているのがわかる。2016年から来年にかけて一気に投資ラッシュになると思われる。
どこが一歩ぬけだすだろうか。

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by km_g | 2016-02-27 13:09 | VC

案件からの学び

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昔コンサルを志望した時、いろいろなプロジェクトに関わるとこで、いろんな業界、企業について詳しくなれるのがいいな、と思っていた。本や記事を読んでもいいが、やっぱり実務からの学びが一番。

今、VCになってこの仕事も同じように学べてるな、と気付いた。しかも、その業界の常識を打ち破ろうとしている優秀な経営者自らがプレゼンしてくれる。非常に、恵まれた、ラッキーな環境にいれてる。

一件、一件丁寧に話を聞かないとな。もったいない。



by km_g | 2016-02-19 18:14


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案件が当たったとか、何倍になったとかVC仲間とよく話すが、ファンド全体で儲かっているのかという観点は、特にサラリーマンVCだと意外と意識しないことが多い。それではよくないということでちょっとシミュレーション。

ファンド総額は50億円。これは、出資者から集めたお金の総額。これが全て投資資金になるかというとそうではなくて、管理報酬が差し引かれた分しか投資に回せない。これは年間2パーセント程度でファンド期間10年間だとすると、ファンド総額の80パーセントの40億円が投資できる金額となる。

投資戦略にもよるが今回は一件あたり数億円投資する場合を考えてみる。平均2億円ちょっとだと、15件くらい投資できる。

ファンドの出資者はVCに対して20パーセントのIRRを期待していると言われる。しかし、実はこれはけっこう高いハードル。10年IRR20パーセントだと、10年で6倍にもなる計算となる。国内でこのくらいのパフォーマンスを出せているのはグロービスくらいだろうか。今回は10パーセントくらいのリターンが出るようなシミュレーションをしてみた。しかし、これでもけっこうきつい。一件あたりまぁまぁの倍率でイグジットできたとしても外れ分まで含めると全体としては大したリターンとはならない。結局いろいろ計算してみたが、いかに数十倍の案件=ホームランを出すか、とよく業界で言われていることがよくわかったw。

また、ここから各Stageでの割引率もだいたいわかることになる。

・シード     :60% →30.0x
・アーリー    :30% →3.0x
・レイター    :20% →1.5x


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by km_g | 2016-02-19 00:21 | VC

M&A EXIT


国内のVC投資のEXITのほとんどはIPOだという。これは、マザーズという上場しやすい?市場があるおかげだろうか。しかし、それにしても事業会社による買収(M&A EXIT)の絶対数が少ない気がする。これは問題だろうか。


IPO時の平均時価総額は100億円程度だろうか。これに対して、M&AEXITは、米国でも50億円程度、日本では20億円程度らしい。米国では、このM&Aが相対的に非常に多い。これが投資する側のVCにとって非常に意義がある。マザーズがある日本でさえ、IPOに耐えうる、品質、規模になるのはなかなか難しい。そして時間がかかる。しかし、M&Aの場合は、IPO水準に未達している企業も対象になる(M&Aの一番の理由が人材獲得)。つまり、M&AEXITがあることで、VCのEXIT数が増えることになる。10件の投資先のうちIPOが3件で残り7件がロスになっていたものがプラス3件M&AEXITとなれば、全体のリターンは当然良くなる。


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Venture Door


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なぜ、日本ではM&AEXITが少ないか。


■買い手側(大企業、事業会社)

・慣れていない

・買収後にどう経営すればいいかわからない

・どんなベンチャーがあるか知らない

・買収しても人材が辞めてしまうかもしれない

・失敗を過剰に怖がる


■売り手側(ベンチャー、VC)

・大企業の担当者と知り合いでない

・IPO重視

・大企業のお作法になれてない 過剰に嫌う

・売り込みが足りない

・手間がかかる(買い手担当者への説明)


あるVCの人曰く、M&AEXITはラッキーではなく、投資時から想定して投資しているという。投資直後から買い手候補の担当者と飲み会を開くなどしているとのことだ。また、非常に手間がかかるし、IPOよりも相対的に金額が小さくなりがちなので、その手間に見合うリターンを出すために、


・多めのシェアを確保

・安く入る


この2点を徹底しているらしい。加えて、買い手となる事業会社の事業戦略、予算、経営課題を把握しておくことに努力しているとのことだ。基本的だが疎かになりがちだと思う。


と、ここまで書いたが、グーグル、フェイスブック、ヤフーと言った新しくて・大きな企業がM&A件数に寄与しているのだろう。このような企業はベンチャーの論理をもちろん理解しているし、PMIもうまいだろう。このような企業が日本にまだまだ少ない。候補は、楽天、DeNA、GREE、ソフトバンクなどだろうか。こういう企業がもう少し増えてくるとM&Aは増えてくるかもしれない。こう考えると、VCとして過去に投資してIPOEXITした企業が今度は買い手となると、VCにとって一番やりやすい。EXITしたあとも定期的に連絡をとるなどしないといけないのだろうな。



by km_g | 2016-02-12 09:42 | VC