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事業計画書を見せてもらうことが多いが、聞きたいところは違うんだよな、ということが多い。まず雛形というか、最低限ここは聞かせてね、というところは記載した上でオリジナリティを追加する感じにしてほしいところ。

下記は、その「最低限」。

1.会社の目的、実現したいこと、その理由、あなた自身
・なぜ、この事業・サービスをはじめたのか。やりたいと思っているのか。
・直近の事業の話だけでなく、その先のビジョンも。
・過去にどんな経験があって、今現在に至っているのか。
・あなた自身(チームの説明ではなく)のこれまでの経験もおりまぜて。

2.解決したい課題
・「誰の」「どんな(深刻な)問題」を解決するのか
  なるべく具体的に。写真や動画を使ってもOK。ペルソナも織り交ぜて記載。
  あまり壮大な課題は注意(例えば、医療費増大を解決します!はリアリティがないので注意)。
  どれほど深刻なのか。「あるといい」ではなく「必要」であるか。
  専門性が高い業界の場合は、その問題がなぜ問題なのか、も伝わるように記載する。
・その問題に対して、顧客はどんな対処をしているか
  我慢している(何も対処していない)、は注意。それほど困っていない可能性がある
・なぜ、その問題が今そのままになっているのか?
  最近問題が顕在化したのはなぜ?なぜ、今日までその問題がそのままになっている?
  それほど問題ではない可能性はないか
・顧客も気づいていない問題の場合もある。
・なぜ「今」なのか。
  

3.解決方法、ソリューション、製品
・その解決方法で、顧客・ユーザーの何が・どのくらい・なぜ、改善するのか。
  解決するメカニズムを記載。なぜその方法でその問題が解決されるのか、が伝わるように。ただし、技術に入り込み過ぎないように。
  買ってもらえる、使ってもらえるイメージが伝わるように。
  図や写真、デモ動画(試作品すらない場合は重要。創薬の場合もポンチ絵でも)
・その製品の性能だけで買ってくれるとは限らない。必要条件を満たしているか(コストなど)  
・POC(Proof of Concept)はどの程度済んでいるのか?
・製品・サービスの詳細
  提供価格、コスト
  製品仕様・サービス詳細
  収益がでるか
  導入方法、ステップ

4.トラクション
・既に製品リリースされている場合は、そのトラクションを記載。
・「あなた」「チームメンバー」の前職などでのトラクションも効果的。

5.ユニークな洞察
・VCの人はビジネスプランをけっこうみるので、他とは違う何か、を記載する。けっこうここが重要。課題がユニーク、ソリューションがユニーク、などなど。これがないとそのベンチャーに投資する理由がない、となってしまう。

6.ビジネスモデル
・お金、商品・サービスの流れ
・価格とその理由、コスト
・誰から、どのように収益を得るか
  広告収入、ロイヤルティ、ライセンシング、販売、レンタル、月額
・顧客(収益を得る相手)とユーザーが混乱しやすい場合は注意
・自社は何をするのか(何をやらないのか)
  部品提供、最終製品
  どんなパートナーと組む必要があるのか
・顧客の具体名の例を記載してもよい(~顧客リスト)

7.市場規模、成長性
・ボトムアップの視点を忘れずに。トップダウンだとどうしてもリアリティがなく聞こえてしまう。
  トップダウン「全人口の◯%が・・・」 Total Addressable Market
  ボトムアップ「単価◯円、具体的顧客名・数、地域の積み上げ」 Serviceable Available Market
・国内だけでも数百億円の市場規模(シリコンバレーでは、数千億円?)があることが望ましい。
・金額算出が必須ではない。要は大きいこと・伸びることが伝わるか。
・全体市場とそのベンチャーの商品の市場規模を間違わないように(エンジンの市場規模と自動車の市場規模は違う)。

8.競合との比較
・競合「技術」だけでなく、競合する「ソリューション・解決方法」で比較する。
  その技術を使わない方法もあるのでは?  もちろん、その技術領域の中での比較も重要。
・単純に「差」を説明するのではなく、他にはできない何ができるのか
  「◯◯は高コストだから自社が優位」、で終わらずなぜ自分たちは低コストを実現できるのか、を記載する。
・技術者の視点ではなく、ユーザー・顧客の視点から比較
  ◯◯が高精度に測定できる!高品質!→それが顧客にとってどのような・どのくらいのメリット?
・「競合はいません!」は注意。
  業界のこと本当に知っている?(その場でVCにググられて競合を見つけられたらアウト)
  競合が入ってきていないということ=魅力度がないビジネスでは?
  本当にいない場合はその理由を説明
・知財情報
  出願、権利化済みか
  出願国
  権利者は誰か
  請求項は答えられるように
 
9.チーム
・創業メンバー、取締役だけでなく、コアメンバーも。
・過去、直近までの経歴  「●●年間の業界経験」はぜひアピール。受賞歴、表彰歴
・出会った経緯
・支援者、アドバイザー
・できれば、顔写真も(意外に重要)

10.事業計画
・開発計画と販売計画をわけて記載。
・5年程度で上場、M&Aが狙える水準かどうか。
・マイルストーンを記載する。
 量産化、薬事申請、ファースト・インヒューマン、POC完了、その他KPIなど
 マイルストーンが資金調達のタイミングの候補となる。
 
11.収益計画、資金調達計画
・年ベースの収益計画。概ね5年。(1~2年間分は月次ベースを作成しておく)
・売上が上がるタイミング、黒字化のタイミング
・売上/利益以外にKPIも明記(顧客数、販売個数)
・調達資金
・マイルストーンごとに必要な資金、資金使途
 「まずは、◯◯を実現するために、△△万円調達したい」


最後に、あくまで上記は最低限の内容。大事なのは事業の中身。製品の中身。チームの中身。事業計画書、ピッチ資料を作成することにあまり時間をかけすぎず、事業内容検討、製品開発に時間をかけるのがまず最優先。

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by km_g | 2019-05-05 00:29 | VC